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ホームページ制作の失敗はどこで決まる?工程別の失敗や確認することをプロが解説
「前の制作会社から乗り換えたい」
「思っていたものと違うものが納品された」
そう言われて相談に来られる方が、毎年一定数いらっしゃいます。数十万円から百万円という金額を、自分の判断で決裁して出した。それなのに成果が出ない、あるいは制作会社と揉めている。多くの方が抱えているのは「損をした」という気持ちより「自分の判断ミスだった」と社内で言われる不安のほうです。
だから発注前に失敗事例を探すのですが、事例を読んでも自社が当てはまるかは分からないのではないでしょうか。
ホームページ制作の失敗は、作っている最中に起きるだけではありません。発注する前と、契約するときに、ほとんど決まっています。
本記事では、Web制作歴10年以上、5万件以上のホームページを取り扱ってきた筆者が、ホームページ制作の失敗を工程別に解説します。
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ホームページ制作の失敗は公開する前にほぼ決まっている
ホームページ制作の成否は、制作フェーズではなく見積もり・発注フェーズで半分が決まります。
理由は、この段階で決めたことが後の全工程を規定してしまうためです。目的が曖昧なまま発注すれば曖昧なサイトができますし、契約書に書かれていないことは後から要求できません。

失敗が決まる地点は、4つに分かれます。
1. 発注前(目的、相場、比較)
2. 契約時(見積書、契約書)
3. 制作中(確認、素材、社内の合意)
4. 公開後(運用、計測)
いちばん多いのは、発注前と契約時の2つです。
制作中に起きているように見えるトラブルも、原因をたどると前の2つにあることがほとんどです。デザインがイメージと違って納品されたという話も、突き詰めれば「どういうデザインなら合格なのか」を発注前に決めていなかったことに行き着きます。
失敗を種類で覚えても、自社が当てはまるかは判断できません。「いつ決まるか」で並べ直すと、自分が今どの段階にいて、何がまだ決まっていないのかが見えてきます。
なお、工程そのものの進み方についてはホームページ制作の流れで解説しているので、あわせてご覧ください。
発注前に決まるホームページ制作の失敗
まずは発注前です。ここは費用も契約もまだ動いていない段階なので、取り返しがつく代わりに、見落としやすい工程でもあります。
目的を決めずに「とりあえず作る」
失敗の出発点はほぼここです。「そろそろホームページが必要だから」という理由で始めると、誰に何を伝えるサイトなのかが決まらないまま形だけができあがります。
目的は「集客のため」では足りません。誰に、どこで、どんなアクションをしてほしいのか、までを決めておきましょう。問い合わせを増やしたいのか、採用の応募を増やしたいのか、既存のお客様に情報を届けたいのか。
目的が明確になっていないと、実は制作会社を選ぶこと自体ができません。提案書を見せられても、その提案が目的に近づくものなのか判断する基準がないためです。
相場を知らないまま1社だけで決める
見積書が1枚しかないと、その金額が高いのか安いのか判断できません。かといって、たくさん集めればいいわけでもありません。相見積もりは3社から5社が適切です。
また予算は具体的な金額で伝えてください。「50万円から100万円くらい」と大きな幅で伝えたり、伏せたりすると、ほぼ上限額の見積もりが出てきます。
見積もりが高く出る理由には、発注者側にあるものもあります。要件が曖昧な状態で依頼すると、制作会社は「後から何を要求されるか分からない」と考えて、目に見えない予備費を上乗せせざるを得ないためです。逆に言えば、決まっていることを具体的に伝えるだけで、この予備費は削れます。
費用相場の詳しい内訳はホームページ制作の相場で、制作会社の選び方はホームページ制作会社の選び方で解説しています。
安さで比べて、何を削って安いのかを見ていない
「安さだけで選ぶな」とはよく言われますが、それだけだと予算が限られている会社は動けません。見るべきは金額の大小ではなく、その金額にするために何を削っているかです。
安さの理由は2つに分かれます。工数を削っているか、工数を圧縮しているか。
工数を削っている場合、削られた作業は発注者に移ります。写真と原稿は自分で用意する、修正は2回まで、公開後のことは自力で対応する。これは悪いことではありません。自社で対応できるなら、そのぶん安く作れるということです。問題になるのは、削られた作業があることを知らずに契約して、あとから「そこまではやっていません」と言われるケースです。
仕組みで工数を圧縮している場合は、発注者の負担は増えません。同じ価格帯でも中身がまったく違うのはこのためです。
確認したいことは、その金額に何が含まれていて、何が含まれていないかです。
契約時に決まるホームページ制作の失敗
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
失敗事例を扱った記事を10本ほど読み比べてみたのですが、金銭的な被害がいちばん大きくなる失敗は、原因のほとんどが契約条項にありました。
契約書と見積書は、読むのが面倒な書類です。ただ、後から交渉できるのはここに書かれていることだけです。
| 見るところ | なぜ見るのか |
|---|---|
| 修正の回数と、何を修正と数えるか | 追加費用でいちばん揉める箇所 |
| 運用・保守の費用 | 公開後に別途かかることがある |
| 納品物に何が含まれるか | データをもらえるか、公開までやってもらえるかが変わる |
| 進行管理(ディレクション)費 | 総額の10〜30%が目安。安すぎる場合は誰も管理していない |
| 契約期間と、期間が終わったあとの扱い | サイトをその後どうできるかが決まる |
| ドメインとサーバーの名義 | 移したいときの動きが変わる |
見積書に書かれていない項目を確認していない
見積書のチェックは、書かれている金額を見るのではなく、書かれていない項目を探す作業です。
抜けやすいのは3つあります。公開後の運用費、修正できる回数、そして動作保証の範囲です。この3つは見積書に載っていないことが多く、載っていないまま契約すると、後から「別料金です」という話になります。
「一式」という表記が並んでいる見積書は、その中身を聞いてください。一式が何を指すのかは会社によって違うので、同じ「デザイン一式」でもページ数も修正回数も別物です。
また進行管理費(ディレクション費)は、総額の10%から30%が目安です。ここが極端に安い、あるいは項目としてない場合は、誰も進行を管理していない可能性があります。
修正が何回まで無料か決まっていない
追加費用で揉めるパターンとして最も多いのが、これです。「修正3回まで」という条項に気づかず、4回目から請求されて予算を超えてしまう。あるいは「無制限」と書いてあると思っていたら、文字の差し替えは無制限だがデザインの作り直しは3回まで、という条件だった。
回数だけでなく、何を1回と数えるのかを確認しておきましょう。まとめて10箇所直してもらうのが1回なのか、10回なのかで、実際にできることが大きく変わります。
契約が終わったあと、サイトがどうなるか書かれていない
しっかり確認しておきたいのが、制作会社との契約期間が終わったあと、サイトがどうなるのかが書面にあるかです。そのまま使えるのか、別の会社に移せるのか、それには何が必要なのか。期間の長さより、終わったあとの扱いが書かれているかどうかが、後で困るかどうかを決めます。
納品物の定義も同じです。公開までやってもらえるのか、データを渡してもらって終わりなのか。合わせて確認しておきましょう。
ドメインとサーバーが誰の名義か把握していない
ドメイン(サイトの住所)とサーバー(データを置く場所)が、自社名義なのか制作会社名義なのかを把握しておきましょう。名義がどちらにあるかで、後で会社を変えたいときの動きが変わります。
基本は自社で管理するのがおすすめです。ただ、知識や時間がなくて難しいという場合は、制作会社に任せるのもありです。自社で管理する場合の最大のリスクは、ドメインの更新忘れです。忘れるとサイトもメールも止まりますし、失効したあとに第三者が同じドメインを取得してしまうと、そのURLは二度と使えません。
ちなみにホームページできるくんでは、契約の期間と、期間が終わったあとサイトをどうできるのか、解約したいときの進め方をあらかじめお伝えしています。見積もりを見比べるときは、このあたりが書かれているかを確認してみてください。
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制作中に起きる失敗は「丸投げ」が原因ではない
「制作会社に丸投げしないこと」は、この手の記事でいちばんよく言われることです。私自身、これまで何度もそう書いてきました。
ただ、それだけだと社内に人がいない会社は打つ手がなくなってしまいます。web担当が総務と兼任、あるいは社長が自分で動いている。そういう会社にとって、丸投げ以外の選択肢は現実的にありません。ではどうするか?以下に見ていきましょう。
任せていいものと、自分で決めるもの

任せていいもの。
原稿、写真、デザイン、技術的な選択、公開後の更新作業。これは全部お願いして構いません。むしろプロに任せたほうが良いものです。素材が揃っていなくても相談できる制作会社はあります。
自分で決めるもの。
次の3つだけです。
1. 誰に来てほしいか
2. 来た人に何をしてほしいか
3. それが達成できたと言える状態はどんな状態か
この3つを決めずに「お任せします」と言ってしまうと、制作会社は誰に向けて作ればいいか分からないまま進めることになります。これが失敗につながってしまうのです。
途中で見ないまま、公開直前に「イメージと違う」となる
納品されたものがイメージと違ったという失敗は、たいてい途中確認が抜けています。最初に参考デザインを見せられて納得し、そのあと完成まで何も見なかった。そして公開日が迫った状態で初めて全体を見て、直す時間がない。
確認のタイミングとして特に大事なのが、ワイヤーフレーム(ページのどこに何を配置するかを決めた設計図)の段階です。ここで構成を確認しておかないと、デザインが仕上がってから、あるいは実装が終わってから構成を変えることになり、追加費用と遅れが発生します。
設計図の段階なら、直すコストは小さいです。家を建てるときに図面の段階で間取りを変えるのと、建ててから壁を壊すのと同じ違いがあります。
打ち合わせで何を確認すればいいかはホームページ制作の打ち合わせでまとめています。
原稿と写真が社内から出てこず、制作が止まる
制作が止まる原因として最も多いのが、素材の準備です。デザインが確定してから原稿を書き始めると、その間ずっと実装が待ち状態になります。企画の段階で、どの原稿を誰が書くのか、写真は既存のものを使うのか撮るのか、目星をつけておきましょう。
これまでの経験上、スケジュールが遅れる原因の大半は制作会社ではなく発注者側の対応の遅れです。確認の返事が1日遅れると、デザインと実装は並行して動いているので、後の工程にドミノで響きます。発注者が主体的に動くだけで、進行は驚くほどスムーズになります。
一方で、制作会社の都合で遅れることもあります。少しいい加減だと感じたら、いつまでに何をやるのかのスケジュールを出してもらってください。
決裁者が終盤に出てきて、やり直しになる
社内の合意形成も、失敗の要因です。担当者だけで進めていて、公開直前に社長が初めて見て「これは違う」となる。この時点での方針変更は、費用も日程も大きく動きます。
決裁する人がどの段階で何を確認するのか、最初に決めておきましょう。少なくとも設計図の段階で一度見てもらえれば、大きな手戻りは防げます。
公開後に成果が出ないホームページ制作の失敗
ホームページは公開して終わりではなく、公開してからがスタートです。ここからの失敗は、作り方ではなく運用の話になります。
更新できないまま、情報が古くなる
公開から2年経っても、お知らせが公開当時のままというサイトは珍しくありません。自分で更新できる状態になっているかを、契約前に確認しておきましょう。CMS(管理画面から自分で更新できる仕組み)が入っていれば、テキストや写真の差し替えは自社でできます。
更新を制作会社に頼む前提なら、管理費を制作の依頼と同時に出してもらってください。制作会社は他社が作ったサイトの管理を嫌う傾向があるので、公開後になってから管理だけを切り出して依頼すると、条件が合わずに割高になりがちです。
適切なSEO設定をしていない
「検索しても出てこない」という相談を受けたとき、記事の内容やキーワードの前に、設定を確認します。設定が抜けているだけというケースが実際にあるためです。
検索エンジンに登録しない設定のままになっている。
制作中は、未完成のサイトが検索結果に出ないように、検索エンジンに登録しない設定(noindex)にすることがあります。この設定を公開のときに外し忘れると、どれだけ良いサイトを作っても検索結果には一切出てきません。
検索結果に表示される説明文が設定されていない。
検索結果でタイトルの下に出てくる説明文(メタディスクリプション)を設定していないと、Googleが本文から適当に切り出して表示します。内容としては間違っていなくても、そのページの魅力が伝わらない文章になりがちで、検索結果に並んだときにクリックされにくくなります。
あわせて、ページごとのタイトルが全部同じになっていないかも見ておきましょう。会社名だけが並んでいる状態だと、どのページが何のページなのか検索エンジンにも読者にも伝わりません。
ホームページ制作の失敗リスクのチェックリスト
ここまで工程別に見てきた内容を、確認できる形にまとめました。事例を読むだけでは自社が当てはまるか分からないので、項目で確認してみてください。
| 工程 | 確認すること |
|---|---|
| 発注前 | このサイトの目的を1つに絞れているか |
| 発注前 | 予算の上限を具体的な金額で伝えたか |
| 発注前 | その金額に何が含まれていないかを聞いたか |
| 契約時 | 修正の回数と、何を1回と数えるかが書面にあるか |
| 契約時 | 契約が終わったあとサイトがどうなるか書面にあるか |
| 契約時 | ドメインとサーバーの名義を把握しているか |
| 制作中 | 「誰に来てほしいか・何をしてほしいか・達成の基準」を自社で決めたか |
| 制作中 | 設計図(ワイヤーフレーム)の段階で確認したか |
| 制作中 | 原稿と写真を誰が用意するか決まっているか |
| 公開後 | 自分で更新できる状態になっているか |
| 公開後 | 検索エンジンに登録しない設定が外れているか |
当てはまらない項目が多いほど危ないというより、まだ決まっていないことが残っている状態だと考えてください。契約前であれば、全部まだ間に合います。
ホームページ制作で失敗してしまった場合にできること
ここでは、すでに作ってしまった方、いま揉めている方に向けて書きます。たしかに、払ってしまったお金が戻ってくることは多くありません。ただ、これから先の支出を減らすことと、次を失敗しないようにすることはできます。
作り直すか、直すかを決める
まず判断するのは、作り直すのか、今のサイトを直して使うのかです。判断の軸は、目的が達成できていない原因が中身にあるのか、土台にあるのかです。
中身に原因がある場合。
書いてあることが足りない、問い合わせ先が分かりにくい、伝えたい相手に向いていない。これは今のサイトを直せば足ります。
土台に原因がある場合。
自分で更新できない、スマホで崩れる、ページを追加できない。これは直すより作り直したほうが早く、結果的に安く済むことが多いです。
| 症状 | 直せば足りる | 作り直しを検討 |
|---|---|---|
| 問い合わせが来ない | 導線と内容を見直す | ー |
| 情報が古い | 更新する | 自分で更新できない構造なら作り直し |
| スマホで見づらい | 部分的に調整する | スマホ対応そのものが入っていないなら作り直し |
| デザインが古い | 配色や写真を差し替える | 全体の構造から古い場合は作り直し |
| ページを増やせない | ー | 作り直し |
作り直す場合に1つだけ気をつけたいのが、古いページから新しいページへの転送の設定(リダイレクト)です。ここが漏れると、これまで積み上げてきたサイトの力がリセットされてしまうことがあります。作り直しを依頼するときに、この設計をやってもらえるか確認しておきましょう。
作り直すときの費用感についてはホームページリニューアルの費用で解説しているので、あわせてご覧ください。
今のサイトから引き継げるものを確認する
次の会社に移るとしても、全部を作り直す必要はないかもしれません。引き継げる可能性があるものを確認しておきましょう。
ドメインは、名義が自社であればそのまま使えます。URLもメールアドレスも変わりません。サーバーとサイトのデータも、契約の内容によっては引き継げます。原稿と写真は、自社で用意したものであれば当然使えます。
制作会社を変える手順や費用についてはホームページ制作会社の乗り換えで詳しくまとめています。
まとめ:ホームページ制作の失敗はどこで決まるか
本記事では、ホームページ制作の失敗を工程別に解説しました。
- 失敗が決まるのは、発注前と契約時がほとんど
- 発注前は、目的を1つに絞る、予算を具体額で伝える、何を削って安いのかを見る
- 契約時は、修正の回数、契約が終わったあとの扱い、名義を書面で確認する
- 丸投げが失敗の原因ではない。作業は任せてよく、判断だけ自社で持つ
- 公開後は、更新できる状態か、設定が抜けていないかを確認する
- すでに失敗した場合も、原因が中身か土台かを切り分ければ次の手が決まる

自社で決めることは3つだけです。誰に来てほしいか、来た人に何をしてほしいか、それが達成できたと言える状態はどんな状態か。ここが決まっていれば、あとは任せて構いません。
これから発注先を探すという方は、サブスク型の格安 Web制作サービスのホームページできるくん(月額数千円〜・条件に応じて最短数日)もあわせてご検討ください!
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