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サイトの費用はどれくらい?初心者向けにわかりやすく解説!

「自社やお店のホームページを作りたいけど、サイト制作の費用がいくらかかるか不安…」と悩んでいませんか?初めてWebサイト構築に挑戦する初心者や中小企業の担当者にとって、ホームページ作成の相場や見積もりのポイントをつかむのは簡単ではありません。
しかしご安心ください。サイト制作には大まかな相場が存在し、ポイントを押さえれば適正な料金プランで進めることができます。この記事では、サイト制作にかかる初期費用とランニングコストの内訳、法人サイト・個人サイト・ECサイトそれぞれの費用相場、依頼方法別の費用比較、さらに費用を抑えるコツや注意点まで、初心者向けにわかりやすく解説します。最後によくある質問にもQ&A形式でお答えしますので、ぜひ最後までお読みください。
サイト制作にかかる費用の全体像
まずは結論として、サイト制作にかかる費用の全体像を解説します。サイト制作費用は大きく「初期費用(制作費)」と「運用費用(維持費)」に分かれます。初期費用とはサイトを構築するために必要な費用で、デザインやコーディング費、人件費などが含まれます。一方、運用費用とは公開後にサイトを維持するために継続的にかかる費用で、ドメイン代やサーバー代、保守管理費などが該当します。それでは、それぞれの内訳と相場を見ていきましょう。
費用の内訳と相場一覧(初期費用・運用費用)
サイト制作の初期費用には、主に以下のような項目があります。
- 企画・ディレクション費
要件定義やサイト構成の設計にかかる費用です。全体の進行管理や打ち合わせ対応に必要で、規模が大きいほど比重も高くなります。 - デザイン費
レイアウトやビジュアルデザインの制作費用です。オリジナルデザインの場合、テンプレート利用に比べて費用は高くなります。 - コーディング費
HTML/CSSやJavaScriptでデザインをWebページに実装する費用です。ページ数や機能が増えるほど工数が増え、費用も上がります。 - システム開発費
問い合わせフォームやECカートなど特別な機能を実装する場合の費用です。高度な機能開発が必要な場合は専門エンジニアの工数が加算され、高額になりがちです。 - コンテンツ制作費
サイトに掲載する文章や写真、動画の作成費用です。原稿ライティングやプロのカメラマン撮影を外注すると別途費用が発生します。 - SEO対策費
必須ではありませんが、最初からSEOを意識したサイト構築やコンサルティングを依頼すると発生する費用です。
初期費用の相場は、サイトの規模や内容によって大きく異なります。小規模で一般的な企業サイトであれば、20万~50万円以上はかかるのが一般的です。中規模サイトでは50万~100万円程度、大規模になると100万円を超えて200万円以上になるケースもあります。実際、ある調査ではホームページ制作案件の約半数が10万~30万円の範囲に集中しており、5万円未満や100万円超えのケースは少数派となっています
一方、サイト公開後にかかる運用費用(ランニングコスト)には、以下のようなものがあります。
- ドメイン費用
独自ドメイン(例:yourcompany.com)を取得・維持する費用です。年間契約で支払うことが多く、相場はドメインの種類にもよりますが年間1,000~3,000円程度が一般的です。※「.co.jp」など企業向けドメインはやや割高になる傾向があります。 - サーバー費用
サイトを公開するレンタルサーバーの利用料です。共有サーバーの入門プランなら月額500~1,500円程度から利用できます。アクセスが増えたりECサイトのように負荷が高いサイトでは、より高性能なプランや専用サーバーが必要になり月額数万円になる場合もあります。 - SSL証明書費用
現在は多くのレンタルサーバーで無料のSSLが提供されていますが、EV証明書など有料の高度なSSLを使う場合は年間数万円の費用が発生します(一般的な企業サイトでは無料SSLで十分です)。 - 保守・管理費
サイトの運用保守を外注する場合の費用です。セキュリティアップデート対応やバックアップ、問い合わせ対応、テキスト修正などを制作会社等に委託する場合、月額1万~3万円程度の保守契約料が相場になります。保守範囲(更新頻度やサーバー監視の有無など)によって費用は上下します。 - 更新作業費
サイトの内容を都度更新する費用です。自社で更新できるCMSを導入すれば費用はかかりませんが、外注で記事追加や画像差し替えを依頼する場合、1回あたり数千円~数万円の費用が発生します。定期的な更新を依頼するなら、保守契約内で対応してもらえるケースもあります。 - マーケティング費用
集客のためのコストです。リスティング広告、SNS運用、コンテンツ制作などを専門業者に頼む場合は月額10万~50万円ほどが一般的な相場と言われます。これらは必須のコストではありませんが、サイトを運営する目的によっては考慮すべき項目です。
以上がサイト制作にかかる主な初期費用と運用費用の内訳・相場です。まとめると、ホームページ作成の費用は規模や内容次第で数万円から数百万円まで幅があります。小規模な名刺代わりのサイトであれば数十万円以下で済む場合もありますが、本格的に集客を目指す企業サイトやECサイトでは100万円を超える投資も珍しくありません。
ただし多くの場合、その中間的な数十万円規模で収まるケースが多いと言えるでしょう 。次章では、この費用感がサイトの種類(法人サイト・個人サイト・ECサイト)によってどのように違うのかを比較してみましょう。
法人サイト・個人サイト・ECサイトの費用比較
サイトの目的や規模によって、必要な機能やページ数が異なるため、法人サイト・個人サイト・ECサイトでは費用の相場にも違いがあります。ここでは、それぞれのサイト種類ごとに一般的な費用感を比較します。
法人サイト(企業サイト)の場合
会社概要やサービス紹介、問い合わせフォームなどを備えた企業の公式サイトです。デザインにも一定のクオリティが求められるため、制作会社に依頼すると50万~300万円程度が一つの目安になります。
小規模な企業サイトでテンプレートを活用すれば50万円以下で収まるケースもありますが、独自デザインや多言語対応など凝った要件にすると300万円超の予算となることもあります。中小企業向けの制作会社に依頼すれば100万円未満で作れることも多く、予算に応じて実現できる内容も変わってきます。
個人サイト(個人ブログ・ポートフォリオ)の場合
個人が運営するサイトやブログは、比較的シンプルな構成で十分なことが多く、費用も抑えられる傾向があります。自分で作成する場合はほぼ無料(独自ドメインとサーバー代のみ)で開設可能です。外注する場合でも、フリーランスにシングルページやテンプレートカスタマイズを依頼すれば10万~50万円程度で作成できるケースが多いようです。
趣味のブログであれば無料ブログサービスや無料ツールを使う選択肢もあり、費用ゼロで始めることもできます。ただし、個人サイトでも本格的なデザインや機能を求めると法人サイト並みの費用がかかる点には注意が必要です。
ECサイト(ネットショップ)の場合
商品の販売機能を持つECサイトは、他のサイトに比べて構築要素が多く、費用も高めです。カートシステムや決済機能、商品データベースの実装などが必要となり、一般的な相場は少なくとも100万円前後からとされています。
こちらのグラフはECサイト制作案件の費用分布を示したものですが、ECサイトの平均費用は約163万円(中央値100万円)で、発注の約半数は100万円以下に収まる一方、30%は101~200万円の範囲、さらに高額なケースも一部存在することがわかります。
費用を抑えてECサイトを始めたい場合は、楽天市場やAmazonといったモール型への出店や、BASE・STORESなどASP型のネットショップサービスを利用する手もあります。例えばASP型サービスを使えば初期費用無料~数十万円程度から始められます。
一方、独自デザインやシステムで構築するフルスクラッチのECサイトでは500万円以上かかることも珍しくありません。このようにECサイトは規模や方式によって費用幅が特に大きい点を押さえておきましょう。
以上のように、サイトの種類ごとにおおよその費用感は異なります。個人サイトは低コストで始めやすく、法人サイトは規模に応じて中程度~高額の予算が必要、ECサイトは機能充実のため比較的高額になりやすいという傾向があります。
ただし、あくまで一般的な相場であり、具体的な費用はサイトの目的・仕様次第で変動します。では次に、サイト制作の方法(自作か外注か)による費用と特徴の違いを詳しく比較してみましょう。
まず知っておきたい「見積もりの考え方」
本格的にサイト制作を依頼する前に、知っておきたいのが見積もりの考え方です。見積もりとは、制作会社やフリーランスが提示する「この内容ならいくらで作ります」という料金明細ですが、初心者には項目が多く戸惑うかもしれません。
基本的に見積もり金額は「要件(サイトの内容)×工数」で決まります。ページ数や機能が増えたり、デザインに凝るほど工数(作業時間)が増え、その分費用も上がる仕組みです。
見積もりでは前述の初期費用の項目(ディレクション、デザイン、コーディング、システム開発など)がそれぞれいくらかかるか積算されます。例えば「トップページデザイン◯万円、下層ページ◯ページ分で◯万円、問い合わせフォーム実装◯万円…」といった具合です。
制作会社によってはパッケージ化した料金プランを用意しており、「5ページまでの簡易サイトプラン○○万円」など定額で提示される場合もあります。一方でオーダーメイドの場合、各作業の想定時間や難易度に基づき個別に算出されるため、同じ要件でも依頼先ごとに見積額が異なることも珍しくありません。
見積もりを依頼する際のポイントとしては、まず自分のサイトに必要なページや機能をできるだけ具体的に整理して伝えることです。要望が漠然としていると、多めの予算を見込んだ見積もりになりがちです。
また、「◯◯円以内に収めたい」など予算感を伝えておくと、依頼先も範囲を調整しやすくなります。見積もりの内訳で不明点があれば遠慮なく質問し、何にいくらかかるのかを理解しておきましょう。そうすることで、後から「聞いていなかった追加費用」が発生するリスクも減らせます。
最後に、見積もり額だけで判断せず内容(対応範囲)も比較することが大切です。例えばある会社は保守1年分込みの価格だが他社は初期制作のみの価格、ということもあります。見積もりはあくまで提案の一部ですので、総合的に判断して依頼先を決めるようにしましょう。
サイト制作方法別|費用と特徴を徹底比較

サイト制作には主に3つの方法があります。それは「自分で作る」、「フリーランス(個人)に依頼する」、「制作会社に依頼する」方法です。費用が高い順に並べると「制作会社に依頼」>「フリーランスに依頼」>「自作」となり、それぞれメリット・デメリットも異なります。ここでは、方法ごとの費用相場と特徴を詳しく比較していきます。
①自作(ノーコード/WordPress)の場合
自力でサイトを作成する方法です。Web制作の専門知識がなくても使えるノーコードツール(例:Wix、Jimdo、ペライチなどのホームページ作成サービス)や、世界的に普及しているCMSであるWordPressを利用して、自分でホームページを構築します。最大のメリットはコスト面で、制作費用を大幅に節約できることです。
レンタルサーバーと独自ドメインの契約料さえ払えば、あとは自分の作業時間だけでサイトを公開できます。実際、レンタルサーバー各社が提供するWordPress簡単セットアップなどを使えば初期費用0円でサイト開設も可能です(必要なのは月々数百円~数千円のサーバー料金のみ)。
例えば、WordPressを使って自作する場合、テーマ(テンプレート)を活用することでデザインコーディングの知識がなくても見栄えの良いホームページを作れます。無料・有料問わず豊富なテンプレートやプラグイン(機能拡張)が揃っており、ブログ形式のサイトから企業のコーポレートサイトまで柔軟に対応できます。
ノーコード系のホームページ作成サービスであれば、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でページをレイアウトでき、専門知識ゼロの初心者でも比較的簡単に扱えます。
自作の費用相場は、ツール利用料やサーバー代程度です。WordPressそのものは無料ソフトウェアなので費用はかかりません。例えば独自ドメイン(年1000円程度)+レンタルサーバー(年1~2万円程度)の合計年間1~3万円ほどが必要経費になります。
一部有料のWordPressテーマを購入する場合でも1万円前後のものが多いです。また、ノーコードサービスの場合は月額費用が発生しますが、ライトプランなら月額数千円以下で独自ドメイン+ホスティング込みのプランが利用できます。
自作のデメリットは、時間と労力がかかる点です。全ての作業を自分で行うため、Web制作の知識を一から学ぶ必要もあります。特にWordPressの場合、最初の設定やカスタマイズでつまずく初心者も少なくありません。
ただ、裏を返せば自社内にノウハウが蓄積されるメリットでもあります。また、プロに比べてクオリティ面で劣る可能性もあります。デザインの洗練度やSEO内部対策など、細部にこだわると独学では限界がある場合もあります。
それでも「コスト最優先」「小さく始めて徐々に改善していきたい」という場合には、自作は有力な選択肢です。個人や小規模店舗のホームページであれば、WordPressで自作する方法がおすすめとの声も多いです。
②フリーランスに依頼する場合
フリーランス(個人のWeb制作者)に外注する方法です。クラウドソーシングサービス(ランサーズやクラウドワークスなど)を利用すれば、全国のフリーランスに仕事を発注できます。
費用相場は制作会社に依頼する場合の約半額程度とされ、小規模サイトなら10万~30万円程度で作成を依頼できることが多いです。例えば5ページ前後の小規模ホームページの場合、制作会社なら20万~50万円ほどかかるところを、フリーランスなら10万~30万円程度に抑えられるケースが一般的です。
フリーランスに依頼するメリットは、費用が抑えられること以外にもいくつかあります。まず、間に会社を挟まない分コミュニケーションが直接とりやすいことが挙げられます。
制作者本人と直接やり取りできるため、要望の伝達がスムーズで反映されやすい傾向があります 。また、スケジュール調整の融通が利いたり、比較的スピーディーに対応してもらえるケースもあります。
一方、デメリットや注意点もあります。フリーランスは個人事業主であるため、そのスキルや信頼性にばらつきがあります。実績豊富で制作会社と同等のスキルを持つプロもいれば、経験が浅くクオリティに不安が残る人もいるということです。
そのため、発注する際はフリーランスの経歴・過去の制作実績・ポートフォリオをよく確認し、求めるレベルの仕事ができる相手か見極める必要があります。
また、個人ゆえに納期遅延や途中で連絡が途絶えるリスクもゼロではありません。病気や繁忙などで対応が滞る可能性も、大企業に比べれば相対的に高いと言えます。
フリーランス依頼の場合、納品後のサポート体制も限定的になりがちです。公開後にトラブルが起きたり更新が必要になった際、追加対応をお願いできるか、どれくらい迅速に対応してもらえるかは契約内容によります。契約前に、公開後の修正対応や保守についても相談しておくと安心です。
総じてフリーランスへの依頼は、「ある程度安く、しかし最低限プロの手でサイトを作りたい」という場合に適した方法です。スキルの見極めとコミュニケーションさえクリアできれば、コストパフォーマンス良く満足度の高いサイト制作が実現できるでしょう。
③制作会社に依頼する場合
Web制作会社(制作プロダクション)に依頼する方法です。費用は3つの方法の中で一番高くつきますが、その分クオリティや手厚いサポートが期待できます。制作会社に依頼する場合の相場は、前述の通り中小規模の案件で30万~100万円、大手企業向けの大規模案件では100万円以上が一般的です。
制作会社にもピンからキリまであり、小さな事務所的な会社から大手IT企業系列の制作部隊まで様々です。一般に会社の規模が大きいほど価格も高くなる傾向があります(大手は人件費やオフィス維持費が上乗せされるため)。
制作会社に依頼するメリットは、何と言っても安心感と総合力です。経験豊富なプロ集団に任せられるため、「こういうサイトにしたい」という要望を丁寧にヒアリングして形にしてもらえます。
デザイン・システム・ライティングなど各分野の専門スタッフがチームで対応してくれるため、完成度の高いホームページになりやすいです。また、納品後の運用サポートや追加改修にも継続的に対応してもらえる体制が整っている会社も多く、長期的な付き合いが可能です。
デメリットとしては、やはり費用が高額になりがちな点が挙げられます。企業のWeb担当者にとっても、予算取りが大変なケースがあるでしょう。ただ「企業の信用に関わる公式サイト」であれば、ある程度の投資は必要経費とも言えます。
もうひとつ、制作会社に依頼した場合は更新作業が気軽にできない場合があります。オリジナルCMSなど独自の仕組みで構築されると、文章一つ修正するにも依頼が必要になり、迅速な更新が難しくなることがあります。頻繁にコンテンツを更新したい場合は、更新代行費用が見積もりに含まれているか、あるいは自社で更新できるCMS構築になっているかを確認しましょう。
また、制作期間が長くなる傾向もあります。要件定義からデザイン案の提示、コーディング・テスト、公開までのプロセスがしっかりしている分、完成までに数ヶ月単位の期間を要することも多いです 。急いでサイトを作りたい場合には不向きかもしれません。
制作会社に依頼する際は、見積もりの比較検討はもちろんですが、実績や得意分野の確認も重要です。「デザイン重視」「マーケティングに強い」「業界特化」など会社ごとに強みがありますので、自社のサイト目的にマッチした会社を選ぶようにしましょう。近年ではWeb制作会社とクライアントをマッチングするサービス(例:Web幹事など)も充実しているので、そうしたプラットフォームで評判を調べたり相談するのも一手です。
以上、サイトの作り方別に費用相場と特徴を比較しました。それぞれ一長一短があり、どの方法がベストかは「予算」「納期」「求める品質」「自社のスキルリソース状況」などによって異なります。予算に余裕があり確実に良いものを作りたいなら制作会社、予算を抑えて柔軟に進めたいならフリーランス、自力でコストゼロに近づけたいなら自作といったイメージです。自社に合った方法を選択しましょう。
サイト運用にかかる継続コストも要チェック

サイトは作って終わりではなく、公開後の運用にも継続的なコストがかかります。ここでは、サイト運用時に発生する主な継続コストについて改めて確認しておきましょう。ドメインやサーバーなどの基本費用に加え、保守管理を外注する場合の費用、集客のための費用なども把握しておくことが大切です。
ドメイン・サーバー代(月額・年間)
ドメイン費用とサーバー費用は、サイト運営の基本となるランニングコストです。独自ドメインは年間契約が一般的で、例えば「.com」ドメインであれば年間1,000円前後から取得できます。「.co.jp」など企業向けドメインは年間5,000~1万円程度するものもありますが、キャンペーン等で安く取得できる場合もあります。更新は年1回で、更新料も初年度と同程度かそれ以下が相場です。
レンタルサーバー代は月額制で、サービスやプランによって料金プランが様々です。共用サーバーのエントリープランなら月額500~1,000円程度からあり、個人ブログや小規模サイトなら十分なスペックです。ビジネス用途で安定性や表示速度を重視するなら、月額1,500~3,000円程度の上位プランやビジネス向けレンタルサーバーを利用するケースもあります。アクセス数が非常に多いサイトや大容量のコンテンツを扱う場合は、クラウドサーバーや専用サーバー契約が必要になり、費用も月額数万円以上となることがあります。
なお、最近はサーバー代に独自ドメイン料金も含めた月額制サービスも増えています。WixやSquarespace、日本国内のホームページ作成サービスなどでは、独自ドメイン使用料込みで月額いくらという料金体系が一般的です。その場合、年間一括払いにすると割安になるプランもあるので、自身の利用期間に応じて選びましょう。
保守・管理・更新の外注費
公開したサイトを常に良好な状態に保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません。自社に担当者がいれば良いですが、技術的なメンテナンスやトラブル対応を自力で行うのが難しい場合、制作会社や専門業者と保守契約を結ぶことが多いです。保守契約の内容にもよりますが、主な範囲は以下の通りです。
- サイトの監視とトラブル対応
サーバーが落ちていないか、ウイルス感染や改ざんがないかをチェックし、問題発生時に復旧対応してもらえます。 - ソフトウェアのアップデート
CMS(例:WordPress)やプラグイン、サーバーソフトのセキュリティアップデートを定期的に適用します。アップデート漏れは脆弱性につながるため重要です。 - 定期バックアップ
サイトデータのバックアップを定期的に取得・保管し、万一の時に復元できるようにします。 - テキスト修正・画像差し替え
小規模な更新作業を随時代行してくれるケースもあります。契約プランによっては月◯回まで簡易更新無料といったサービスもあります。
保守費用の相場は、作業範囲と更新頻度によりますが、前述したように月額1万~3万円程度がひとつの目安です。例えば「毎月1回の定期点検+簡易更新対応」のようなライトな保守なら月1万円前後、「週次のセキュリティチェック+毎月数ページの更新代行込み」なら月3万円程度、といった具合です。更新頻度が高いサイトほど費用も上がる傾向があります。
更新作業を完全に外注すると、依頼する都度費用が増えてしまうため、更新しやすいCMSを導入して自社で対応するのもコスト削減のポイントです。自社でテキスト修正やお知らせ投稿ができれば、その分外注費を減らせます。逆に、専門知識が必要な部分(セキュリティ対策や大幅なデザイン変更など)は割り切ってプロに任せると良いでしょう。
SEO対策やマーケティングにかかる費用
サイトを公開しただけでは、すぐに多くの訪問者が集まるわけではありません。特に企業サイトやECサイトの場合、集客のための施策にも予算を投じる必要があります。代表的なのがSEO対策(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティングです。
自社でブログ記事を更新したりSNS発信する程度であればコストは人件費のみですが、専門のSEO業者に依頼する場合はそれなりの費用が発生します。一般的なSEOコンサルティングや運用支援の相場は月額10万~50万円ほどと言われています。
サイト規模や競合状況によっては100万円を超えるケースもあります。SEO業者に依頼すると、キーワード調査からコンテンツ企画、被リンク獲得施策、効果測定レポートなど包括的にサポートしてくれますが、このように月次のランニングコストがかかります。
また、リスティング広告(検索連動型広告)やSNS広告などネット広告費も集客には有効です。こちらは金額設定が自由ですが、小規模事業者でも月数万円~10万円程度を広告予算に充てる例が多いです。広告代理店に運用を委託する場合、その手数料も別途(月額数万円~)発生します。
オウンドメディア運営などコンテンツ制作費も考慮しましょう。外部ライターに記事執筆を依頼する場合、1記事あたり数千円~数万円の費用がかかります。例えばSEO記事は1本あたり3~5万円が相場との調査もあります。このように集客・マーケティングにはやり方次第で様々なコストが発生します。
重要なことは、サイト制作費だけでなく運用コストまで含めて予算計画を立てることです。サイトを作ったものの、宣伝に使う資金がなく誰にも見てもらえない…という事態は避けなければなりません。
逆に、運用に十分リソースを投入できるのであれば、初期制作費用は抑えめのテンプレートサイトにしておき、浮いた分を広告費や記事制作費に回すという戦略も有効でしょう。サイト運営は初期費+運用費のトータルで考えることが大切です。
費用を抑える5つのコツと注意点

ここまで見てきたように、サイト制作には様々な費用がかかりますが、工夫次第でコストを抑えることも可能です。続いて、サイト制作費用を抑えるための5つのコツと、それに伴う注意点を紹介します。予算が限られる中で効果的なホームページ作成を目指す方はぜひ参考にしてください。
目的を明確にして「必要な機能」を絞る
まず何よりも大事なのは、サイトの目的を明確にすることです。目的がはっきりすれば、本当に必要な機能・ページと不要なものが見えてきます。闇雲に「あれもこれも」と機能を盛り込もうとすると、制作範囲が広がり費用もどんどん膨らんでしまいます。
例えば、「会社の基本情報を載せて問い合わせを受けられれば十分」という目的であれば、SNS埋め込みや多言語対応、ブログ機能などは最初からは必要ないかもしれません。逆に「自社の商品をオンラインで販売したい」が目的なら、商品カタログやカート機能は必須ですが、企業理念のページなどは簡略化できるかもしれません。
初心者の方ほど、最初に欲張って全ての機能を盛り込みがちですが、サイトは公開後に拡張も可能です。まず最小限の構成でローンチして、様子を見ながら必要に応じて追加開発する方が、結果的に無駄な投資を減らせます(「小さく生んで大きく育てる」という考え方です)。目的と優先度を整理し、「今回は◯◯の機能は見送る」と決める勇気もコスト削減には重要です。
テンプレートやCMSを活用する
ゼロからオリジナルデザイン・システムを作ろうとすると費用は高くなります。そこで、使えるものは上手に使ってコストを下げましょう。具体的には、テンプレートデザインや既存のCMSの活用がおすすめです。
近年のテンプレートはクオリティが高く、色や画像を変えるだけでプロ並みの見栄えになるものも多く存在します。例えばWordPressには数多くの無料・有料テーマがあり、自社の業種に合ったデザインを選べます。テンプレートを利用すればデザイン費・コーディング費を大幅に削減できます。
また、CMS(Content Management System)を導入することで、一からシステム開発をしなくてもブログ投稿や更新機能が手に入ります。WordPressの他、簡単にホームページを作れる国産CMSやクラウドサービスもあります。既存ツールを組み合わせることで「車輪の再発明」を防ぎ、工数を減らすわけです。その分費用も抑えられます。制作会社に依頼する場合も、「完全オリジナルデザイン」でなく「テンプレートカスタマイズ」で作れる会社を選べば価格は安くなる傾向があります。
注意点としてテンプレートやCMSを使う場合でも、自社のブランディングや要件との適合性を確認しましょう。無理に安くあげようとして既製品に目的を合わせてしまうと、本末転倒になりかねません。デザインテンプレートもいじり過ぎるとかえって工数が増えることがあります。「使える部分は使い、必要な部分だけカスタマイズする」というバランスが大切です。
相見積もりをとって価格と内容を比較
サイト制作を外注する際は、必ず複数の会社・人から見積もりを取りましょう。1社だけの提案では比較検討ができず、提示された価格が適正か判断しにくいためです。相見積もり(複数業者への見積もり依頼)を行うことで、各社の提案内容や料金を客観的に比べられます。
理想的には3~5社程度から話を聞くのがおすすめです。1~2社では選択肢が少なく、かといって10社も当たると対応しきれないため、5社前後が妥当でしょう。
見積もり比較では、「価格」のみならず「内容」と「対応」も注目してください。極端に安い見積もりは一見魅力的ですが、納品物の範囲が狭かったり、サポートが薄かったりする場合もあります。
一方、高めの見積もりでも追加提案が充実していたり、SEO設定込みだったりと価格に見合う価値が含まれていることもあります。また、見積もり段階のやり取りから、各社のレスポンスの速さや丁寧さ、人柄なども感じ取れるでしょう。長く付き合うパートナーになる可能性があるので、金額だけで飛びつかず総合的に判断することが「失敗しない」コツです。
なお、相見積もりを依頼していることは隠す必要はありません。むしろ「他社にも聞いています」と伝えた方が各社本気の提案をしてくれることが多いです。
ただし注意点として、あまりに多くの会社に声をかけすぎると対応が大変になるだけでなく、各制作会社側から見ても「受注確率が低い」と判断され腰の引けた提案になる恐れがあります。適切な範囲で情報収集し、最終的には信頼できそうな1社(またはフリーランス)に絞って交渉を進めましょう。
補助金・助成金の活用
中小企業や個人事業主の方であれば、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できないか調べてみましょう。実はホームページ制作は一部の補助金の対象経費になり得ます。代表的なものとして、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金、IT導入補助金の3つが挙げられます。
例えば、小規模事業者持続化補助金であればチラシやホームページ制作など販路開拓の取り組みに対して原則2/3(上限50万円)を補助してもらえる可能性があります。IT導入補助金は、中小企業がITツール(ホームページ制作も含む)を導入する際に費用の一部を国が負担してくれる制度です。
補助金を使えれば、実質的に自己負担額を大きく圧縮できます。例えば制作費50万円のサイトでも、補助金で2/3出れば自己負担約17万円です。ただし、補助金には公募期間や採択要件、事後報告など様々な条件があります。また「ホームページ制作単体」では対象にならず、「ネットショップ開設を含む事業計画」のように包括的な申請が必要な場合もあります。申請書類の準備や審査もあるため、すぐには使えない・確実にもらえる保証がない点には注意が必要です。
お住まいの地域の自治体でも、創業支援や販促支援の助成金が出ていないかチェックしてみましょう。補助金情報は中小企業支援サイトや各自治体の公式サイトで公開されています。面倒な部分もありますが、条件に合うなら補助金申請も検討する価値ありです。必要なら行政書士や商工会議所に相談してみるのも良いでしょう。
「安さ重視」で失敗しないために
最後に、費用を抑えることばかり考えて失敗しないための注意点です。予算は大切ですが、「安かろう悪かろう」では元も子もありません。極端に安い制作代行に依頼してしまい、出来上がったサイトの品質が低く結局作り直し…というケースも現実にあります。また、価格だけで選んでコミュニケーションに難がある業者に当たってしまい、ストレスを抱えることも考えられます。
避けるべきは、「とにかく一番安いところ」に飛びつくことです。相場を無視した安値にはそれなりの理由があります。例えば必要な工程を飛ばしている、テンプレートをそのまま流用するだけ、アフターサポートが一切ない、担当者のスキルが未熟…等々。そうしたリスクを理解せず依頼すると、納品後に不具合や集客不振に見舞われ、結局追加費用が発生する可能性があります。
「安さ重視」で失敗しないためには、前述の相見積もりを活用して適正価格の範囲を把握すること、そして価格以外の要素も含めて判断することです。具体的には、候補となる制作会社やフリーランスの実績や評判を調べましょう。過去の制作事例がちゃんと公開されているか、依頼者の声などで信頼できそうかを確認します。また初回の相談時の対応感触も重要です。こちらの質問にきちんと答えてくれるか、提案内容に筋が通っているかを見極めましょう。
どうしても予算が厳しい場合は、「安い業者に全部任せる」よりむしろ自作+αで乗り切る方が良いこともあります。最低限は自分で作り、不足部分だけスポットでプロにお願いする(例えばロゴデザインだけ依頼、WordPressの初期設定だけ依頼等)といった方法です。その方が無駄な出費を避けつつ、品質担保もしやすいでしょう。
要はコストとクオリティのバランスです。「安ければ何でもOK」ではなく、自分たちにとって許容できる範囲の品質を確保しつつ、その中で最も安価に済む方法を選ぶ。これが失敗しないための考え方と言えます。
よくある質問(FAQ)

最後によくある質問についてQ&A形式でお答えします。サイト制作費用に関する疑問点を解消しましょう。
サイト制作の初期費用は一括?分割?
回答: 通常、ホームページ制作の初期費用(制作費)は一括払いで支払うケースが多いです。契約時または納品時に全額支払うのが基本ですが、金額が大きい場合や依頼先によっては分割支払いに応じてもらえる場合もあります。例えば「着手時に50%、納品時に50%」といった2回払いは比較的一般的です。制作会社の中には独自の分割払いプランを用意しているところもあり、12回~60回払いまで対応可能という例もあります。
小規模案件(数十万円程度まで)では一括払い、一部前金+残金後払いが主流ですが、初期費用0円で月額料金に乗せるプランを提供する会社も存在します。これは実質的に制作費を分割して月々支払う方法で、制作会社がローン提携しているケースもあります。その場合、契約期間内は解約できない・総支払額はやや割高になるといった条件もありますので、利用する際は詳細を確認しましょう。
まとめると、基本は一括払いだが、相談すれば分割も可能というのが答えです。資金繰り的に一括支払いが厳しい場合は、契約前に支払い方法についても交渉してみると良いでしょう。
途中で仕様変更すると費用は増える?
回答: はい、通常は増えます。見積もりや契約時点の仕様を超える変更・追加要望が発生した場合、追加費用がかかるのが一般的です。例えば、当初予定になかったページを増やす、デザインを一新し直す、大幅な機能追加をする、といった場合です。制作工程の途中であっても、変更内容に応じて再見積もりとなり、その差額分を追加で支払う形になります。
特にデザイン確定後やコーディング開始後の大幅な仕様変更は、作業のやり直しが発生するためコストインパクトが大きいです。場合によっては納期の延長も避けられません。軽微な修正(文章の差し替えや画像の変更など)は契約範囲内で対応してもらえることもありますが、超過する場合はやはり費用増となります。
したがって、途中の仕様変更は極力避けるか最小限にとどめることが望ましいです。発注前に要件をしっかり詰めておく、検討中のオプションは見積もり時に相談しておくなどの工夫をしましょう。どうしても追加したい変更が出た場合は、まず制作側に相談し、費用がどれくらい増えるか確認した上で実行するか判断してください。
無料でサイトを作るのはアリ?
回答: 個人用途やテスト目的であればアリですが、ビジネス用途ではあまりおすすめできません。無料でサイトを作る方法としては、無料ブログサービス(アメブロ、はてなブログ等)やGoogleサイト、無料ホームページ作成ツールのフリープランを利用するといった手段があります。これらを使えばサーバー代もかからず初期費用0円でWebサイトを公開可能です。実際、趣味のブログや一時的なキャンペーンページ等で無料サービスを活用するのは選択肢の一つです。
しかし、企業やお店の公式サイトとして無料サービスを使うのはデメリットも多いです。まず独自のドメインが使えず、URLが「○○.amebaownd.com」のようにサービス名入りになったり、ページにサービス側の広告が表示されたりします。プロの印象を与えにくく、ブランドイメージにマイナスになる可能性があります。また、カスタマイズ性や機能に制限があり、デザインの自由度も低いです。容量やページ数にも上限があるため、本格的なサイト運営には不向きです。
さらに、無料サービスは提供元の都合で仕様変更やサービス終了のリスクもあります。自社サイトが急に閉鎖…という最悪の事態もゼロではありません。以上の理由から、ビジネス用途のWebサイトは多少のコストをかけてでも独自ドメイン+しっかりした基盤で構築することをおすすめします。どうしても予算が出せない場合は、まず無料ツールで試作してみて、後に有料プランや独自サイトに移行するというステップを踏むのも良いでしょう。
保守契約は必須?
回答: 必須ではありませんが、できれば結んでおくことをおすすめします。保守契約とは前述したように、サイト公開後のメンテナンスや更新を一定範囲サポートしてもらう契約です。絶対に加入しなければいけないものではありません。技術に詳しい担当者が社内にいる場合や、静的なサイトで更新の予定がほとんどない場合など、保守契約を見送って自社対応するケースもあります。
ただし、公開後に何もトラブルが起きなければ良いのですが、現実には不測の事態も起こり得ます。例えば「サイトが表示されなくなった」「お問い合わせフォームからメールが届かない」「WordPressのプラグイン更新で不具合が起きた」といったことが発生した際、保守契約があればすぐに対処を依頼できますが、契約がないと都度有償対応となり割高だったり、対応まで時間がかかったりすることがあります。
また、サイトの安全性を保つためにはソフトウェア更新やバックアップが重要ですが、それらを怠るとセキュリティリスクが高まります。保守契約を結んでいれば、そうした定期作業を任せて安心を買うことができます。
特に更新頻度が高いサイトやWeb初心者が運用するサイトでは、保守契約を結んで専門家のサポートを得るメリットは大きいです。逆に1ページ完結の静的サイトで年に一度しか更新しないような場合は、契約せず必要時にスポット依頼でも良いかもしれません。要するにケースバイケースですが、トラブル対応の保険と考えて、可能なら保守契約は結んでおく方が無難でしょう。
自分に合ったサイト制作方法と費用感を把握しよう
以上、サイト制作にかかる費用について、内訳や相場、作り方別の違い、そして費用節約のポイントまで詳しく解説してきました。ホームページ作成の費用相場は千差万別ですが、大切なのは自分の目的に合った適切な方法を選び、全体の予算感を把握しておくことです。初心者の方は不安も多いかと思いますが、本記事で紹介した知識を参考にしていただければ幸いです。
最後にポイントを整理すると、まずサイト制作には初期費用と運用費用があり、小規模なサイトなら数十万円以下、大規模・高機能なサイトでは数百万円規模になる場合もあります。自作・フリーランス・制作会社といった依頼方法によっても費用は変動します。それぞれメリットデメリットがあるので、自社の状況や予算に応じてベストな選択肢を検討しましょう。また、運用段階でのランニングコスト(ドメイン・サーバー代や保守費用、SEOマーケ費用など)も忘れずに計算に入れておくことが重要です。
コストを抑えたい場合は、サイトの目的を明確にして必要最低限の範囲から始めること、テンプレートやCMSを活用すること、複数の見積もりを比較すること、利用できる補助金がないか調べること、といった工夫が有効です。ただし安さだけに飛びつかず、適正な品質を確保できるかも重視してください。
自社に合った方法と費用感さえ掴めれば、サイト制作は決して怖いものではありません。ぜひ適切な計画のもとでホームページを作成し、あなたのビジネスや活動に役立ててください。この記事が、その一助になれば幸いです。