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会社ホームページの作成の費用相場は？料金体系や内訳なども徹底解説
ホームページを作りたいけれど、「予算はいくら用意すれば良いのだろう？」と悩んでいませんか。ホームページ制作の費用は業者や制作方法によって数万円から数百万円と大きな幅があります。そのため相場を知らずに依頼すると、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するかもしれません。
本記事では、ホームページ制作にかかる費用相場や内訳、予算を左右するポイントを初心者にもわかりやすく解説します。費用を抑える工夫や見積もり時の注意点も紹介しますので、ホームページ制作の予算に不安がある方はぜひ参考にしてください。
ホームページ作成の主な依頼方法と費用相場
会社ホームページを作成する方法は大きく分けて3つあります。（1）自分で作成する（自作）、（2）フリーランスに依頼する、（3）制作会社に依頼する方法です。それぞれのメリット・デメリットと、費用相場の目安を解説します。
1. 自作（社内でホームページを作成）する場合
もっとも費用を安く抑えられる方法は、自分でホームページを作ることです。 専門知識がなくても使えるホームページ作成ソフトやサービスが近年充実しており、社内に担当者がいれば自作も選択肢になります。ただし人件費（作業時間）以外にも以下のようなコストが発生します。
ホームページ作成ソフトの費用
無料から有料まで様々です。有料版でも月額1千～5千円程度、買い切り型なら1万～3万円程度が相場です。無料版は機能制限がある場合が多いので、業務利用なら有料プランを検討しましょう。
CMS導入費用
専用ソフトを使わずCMS（Contents Management System）で作る場合もあります。代表的なWordPressは無料で利用できますが、有料のCMSやプラグインを使う場合は初期費用数万円～、月額利用料5千円～数万円と幅があります。会社サイトならデザインやSEOに優れた有料テーマ（テンプレート）を購入する場合5千～2万円程度が別途かかります。
ドメイン・サーバー費用
独自ドメインの取得費用とレンタルサーバーの費用です。ドメインは年間1,000～1万円、サーバーは年間1万～5万円程度が相場です。これはサイトを公開し続ける限り毎年必要な維持費となります。
その他費用
制作に必要な素材（写真やイラスト）を購入する場合や、有料の問い合わせフォームサービス、アクセス解析ツールなどを導入する場合は、そのライセンス費用が発生します。ただし素材は無料のフリー素材を活用したり、自社で用意すれば費用を削減できます。
自作の費用総額目安
上記を合計すると、自作の場合でも初年度は数万円～十数万円程度は見ておきましょう。例えば「独自ドメイン＋サーバー年間約3万円＋有料テーマ1万円」で約4万円、さらにCMSや作成ソフトの費用が加わる可能性があります。実際には自社スタッフの作業工数もかかるため、時間的コストも考慮が必要です。
2. フリーランスに依頼する場合の費用相場
フリーランスの個人制作者にホームページ作成を依頼すると、制作会社に比べて料金は割安になる傾向があります。一般的な企業サイト（コーポレートサイト）の場合、フリーランスへの依頼費用相場は約10万～30万円程度。15ページ程度のホームページなら制作会社では40万円以上かかるケースが多いところ、フリーランスなら10万～20万円で実現できる場合もあります。
メリット
中間マージンがない分、同じ内容でも費用を低く抑えられる点が最大のメリット。少ない予算でもホームページ制作を依頼しやすく、柔軟に対応してもらえることも多いです。
デメリット
個人ゆえに対応が不安定になるリスクも考慮しましょう。例えば、急に連絡が取れなくなったり、こちらの要望と異なる仕上がりになってしまったりするケースも指摘されています。また一人で対応するためスケジュールが延びがちだったり、公開後の保守サポート体制が弱かったりする可能性もあります。
依頼する際は、そのフリーランスの実績（過去制作例）やスキル、コミュニケーションに不安がないかを必ず確認しましょう。納品後も更新作業やトラブル対応をサポートしてもらえるかなども事前に話し合っておくことが大切です。
3. 制作会社に依頼する場合の費用相場
ホームページ制作会社に依頼すると、費用相場は非常に幅広く、最安で5万円程度から、内容次第では300万円を超える場合もあります。 これは依頼する制作会社の規模やホームページの内容によって作業量が大きく異なるためです。ここでは、制作会社への依頼時に代表的なケース別の相場感を解説します。
小規模な制作会社の場合
中小のWeb制作会社やデザイン事務所に依頼すると、費用相場は数十万円程度（20万～50万円前後）が一般的です。中小企業向けの標準的なコーポレートサイト（会社案内やサービス紹介が中心のサイト）であれば、この価格帯で収まるケースが多くなります。フリーランスよりはやや高くなりますが、チーム体制で制作するため中～大規模のサイトにも対応可能であり、デザインや機能面でもより細かな要望に応じてもらえるでしょう。
大手の制作会社の場合
実績が豊富で企業規模の大きいWeb制作会社に依頼すると、費用相場は300万円以上～数千万円規模になることもあります。高度なデザインや独自システム開発を含む大規模サイト、ECサイト、ポータルサイトなども柔軟に対応してもらえますが、小規模案件では予算が合わず受注不可となるケースもあります。制作後の運用改善サポートも手厚い会社が多い反面、最低予算が高めに設定されている点に注意が必要です。
制作内容別の費用相場
制作会社に依頼する場合でも、「テンプレートを活用するか」「ゼロからオリジナルデザインにするか」「サイト規模が大きいか」で費用が変わります。概算の相場は以下の通りです。
テンプレートデザインで制作
約5万～50万円が相場になります。既存のテンプレート（雛形）を活用すれば作業時間を短縮できるため、比較的安価に制作できます。有料テンプレートを使えば一定レベルのクオリティも確保可能です。ただしデザインの自由度は低く、他社サイトと似た印象になる可能性があります。
オリジナルデザインで制作
約50万～100万円が相場です。デザインやレイアウトを一から起こすため費用は高くなりますが、独自性の高いサイトに仕上がります。また細部までこだわったり特殊な機能を盛り込んだりすると、総額300万円以上になることも珍しくありません。
大規模サイトの制作
ページ数が非常に多いサイトや、独自システム・EC機能を備えたサイトなどは数百万円規模の予算を見込むべきです。実際、大手制作会社ではサイトの規模によっては数千万円に及ぶケースもあるとされています。例として、Jimdoの調査によれば数十～数百ページ規模でWeb集客を本格的に狙う場合、100万～300万円程度の予算がかかるケースもあります。
制作会社への依頼費用例
「名刺代わりの小規模サイト」であれば数十万円以下、「会社パンフレット程度の標準的サイト」で50万～100万円、「本格的な集客サイト」なら100万円超～というイメージ。例えば企業の簡易紹介サイトなら10万円前後から依頼できますが、しっかりしたパンフレット代わりのサイトなら50万円程度、さらにSEO対策や長期運用を見据えた作りにすると50万～70万円前後になることもあります。
その他の依頼形態
上記以外に、広告代理店経由で依頼するケースもあります。その場合、代理店は下請けの制作会社に発注するため制作費用に20%～50%程度の仲介手数料が上乗せされるのが一般的です 。コスト面では割高になるため、特別な理由がなければ自社で直接制作会社やフリーランスに依頼するほうが賢明と言えるでしょう。
ホームページ制作費用の内訳と費用に影響する要因
ホームページ制作の見積もりには様々な項目が含まれます。それらを理解し、自社のニーズに照らし合わせることで、「どこに費用がかかるのか」「どこを削減できるのか」が見えてきます。ここでは代表的な見積もり内訳の項目と、費用を左右する主な要因を整理します。
ホームページ制作の主な見積もり項目
一般的な制作会社の見積書に記載される主な項目と内容は次の通りです。
ディレクション費（進行管理費）
プロジェクト全体を管理するディレクターの人件費です。ディレクターは打ち合わせやスケジュール管理、資料作成などを担当します。規模が大きいほど管理工数が増えるため費用も上がり、見積総額の10～30%程度を占めるケースが多いです。
企画費
サイトの目的設定やコンセプトメイキング、ターゲット設定などの企画立案にかかる費用 。綿密なヒアリングの上で提案をまとめてもらえます。制作前に自社の方向性や要望を整理しておくことで、余計な企画費を抑えられる場合もあり。
サイト設計費
サイトマップ（全体構成図）やワイヤーフレーム（各ページのレイアウト設計）の作成費です。サイトマップ作成は5万円～が相場で、ワイヤーフレームはページ数やテンプレート利用の有無によって変動します。
デザイン費
Webデザイン制作の費用です。通常トップページと下層ページでデザインを作成し、ページごとまたは作業日数で計算されます。特にトップページは最重要ページのため、1ページだけでの費用相場が5万～15万円程度と他の下層ページより割高です。依頼するデザイナーのスキルや、テンプレート利用かオリジナルかでも大きく変動します。
素材制作・購入費
写真・画像やイラストなどの素材を用意する費用です。自社の商品写真撮影を依頼する場合はカメラマン費用、イラスト作成ならイラストレーター費用がかかります。フリー素材を活用したり、自社で用意できれば節約可能ですが、使いすぎると画一的な印象になるためバランスを考慮するといいでしょう。
コーディング費
デザインを実際のWebページとして実装（HTML/CSSやJavaScriptで構築）する費用です。レスポンシブ対応（スマホやタブレットでも正しく表示されるよう最適化）や、フォーム送信機能の実装なども含まれます。1ページあたり1万～3万円程度が目安ですが、ページ数が増えるとトータルでは高額になります。
プログラミング・システム開発費
通常のコーポレートサイトでは発生しませんが、会員機能や予約システムなど特別なWebアプリケーションを開発する場合の費用です。内容によって大きく異なり、数十万円～数百万円規模の見積もり項目になります。
マーケティング費（SEO・解析）
アクセス解析の設計やSEO対策にかかる費用です。検索上位に表示させるためのキーワード調査や内部SEO実装、Google Analyticsの設定などが該当します。依頼内容の規模によって開きが大きく、20万～100万円程度と見積もられるケースも。小規模サイトではオプション扱いの場合もあります。
サーバー・ドメイン設定費
サーバー環境やドメインを取得・設定する代行費用です。制作会社が環境構築まで実施する場合、1万～5万円程度が相場。契約代行のみで、サーバーやドメインそのものの料金（前述の年間費用）は別途発生します。
テスト・検証費
完成したサイトが意図通り動作するか確認するための費用。不具合がないか入念にチェックし、必要に応じて修正します。規模によりますが相場は10万円前後とされています。※制作会社によってはコーディング費に含める場合もあり、その場合見積項目に現れないこともあります。
その他初期費用
上記以外にも、テスト・検証費、公開作業費（サーバーへのアップロードやSSL設定）、ディレクション費などが見積もりに含まれることもあります。また印刷物デザインや動画制作など、サイト制作以外の付帯作業を依頼する場合は別途費用計上されます。さらに成果を高めるために、以下のようなオプション費用が追加で発生するケースがあります。
原稿作成費用
プロのライターがサイト文章を執筆する費用。約10万～50万円が相場です。自社で良い文章が書けない場合、第三者の視点で魅力を引き出し「伝わる文章」にしてもらうことで、ホームページの効果を最大化できます。
写真撮影費用
プロのカメラマンによる写真撮影の費用。約5万～20万円が目安です。会社や商品、スタッフの魅力を伝えるオリジナル写真は、サイトのクオリティを大きく高めてくれます。素材集の写真では出せない独自性・信頼感を得られるため、予算に余裕があれば検討すると良いでしょう。
有料素材購入費
ストックフォトやアイコン素材などを購入する費用です。約2万～7万円が相場です。無料素材では得られない高品質な画像やイラストを使う場合に発生します。
費用を左右する主な要因
ホームページ制作費用は、サイトの規模・内容・依頼条件によって変動します。特に以下の要素は費用に大きな影響を与えるため、発注前に自社の方針を決めておくとよいでしょう。
ページ数
掲載ページが何ページ必要かで、デザイン費・コーディング費などが増減します。基本的にページ数が増えるほど総費用は上がり。小規模サイト（1～5ページ程度）と中規模サイト（10～20ページ以上）では制作工数に大きな差が出ます。目安として、前述の通り15ページ程度のサイトでは制作会社40万円～、フリーランス10万～20万円程度と、ページ数が費用を押し上げる一因になっています。
デザインの自由度（テンプレート利用の有無）
既成のテンプレートを使うか、オリジナルデザインを一から作るかで費用は大きく異なります。テンプレートベースならデザイン設計の手間が省けるため5万～50万円程度と安価に収まる一方、オリジナルデザインは独自性が得られる代わりに50万円以上は見込む必要があります。ただしテンプレートをカスタマイズする場合は30万～180万円程度の費用がかかるケースも。テンプレート＋αの方針にするかフルオリジナルにするかは予算と相談です。
CMSの導入
更新管理を楽にするためCMS（例：WordPress）を導入するかどうかもポイントです。単純な静的サイトより初期構築費用は多少上乗せになりますが、記事追加や更新を自社で行えるようになるため、長期的には運用コスト削減につながります。WordPress自体は無料ですが、テンプレートやプラグインの設定・カスタマイズに工数がかかります。一般にWordPress対応の制作は非対応より費用が数万円～十数万円高くなることがあります（※高機能な独自CMSを開発する場合は別途高額です）。
スマホ対応（レスポンシブデザイン）
スマートフォンやタブレット表示への最適化対応は今や必須です。通常、現在の制作会社であれば標準でレスポンシブ対応を含むことが多いですが、古い安価なプランではPC版のみでスマホ版別料金という場合もあり得ます。レスポンシブ対応はコーディング作業として見積もりに含まれ、リンクをクリックしたら他ページへ移動する、といった基本機能実装と共に必ず行われ ます。対応しない場合、モバイルユーザーの離脱やSEO評価低下に直結するため、実質的に外せない要因といえます。
SEO対策の有無
検索エンジン最適化（SEO）をどこまで行うかで費用が変わります。単にサイトを公開するだけでなく、狙ったキーワードで上位表示させたい場合、専門的なSEO内部施策やコンテンツ最適化が必要です。制作会社にSEO対応まで依頼すると、規模によって20～100万円程度の費用が追加でかかることがあります。例えばメタタグや構造化データの実装、競合調査、SEOライティング指導などが該当します。ただし基本的なSEOフレンドリーな構造（モバイル対応や表示速度改善など）は標準実装してくれる制作会社が多いでしょう。
原稿テキスト作成の有無
サイトに載せる文章や原稿を誰が用意するかも重要です。自社で原稿を用意できる場合、費用を抑えられます。一方、制作会社に原稿作成も依頼するとライティング費用が発生します。簡単な会社概要程度ならプラン内で対応するケースもありますが、取材が必要な本格的コンテンツはオプション扱いとなり、1ページあたり数万円規模の費用が追加されます。原稿準備は自社で頑張るほどコスト減に直結するポイントです。
写真・イラスト素材
使用する画像素材を用意できるかも費用に影響します。自社商品や社屋・スタッフの写真をプロカメラマンに撮影してもらう場合は撮影費用がかかりますし、商用フリー素材を多用すれば費用ゼロにできます。ただしオリジナリティやブランディングを重視するなら、プロの撮影やオリジナルイラスト制作を検討すべきでしょう。その場合、点数や内容によりますが数万円～十数万円は加算されると見ておきましょう。逆に自社提供の写真や素材でまかなえばその分コストダウンできます。
特殊機能やシステムの有無
問い合わせフォーム程度であれば標準範囲ですが、例えば会員ログイン機能やオンライン決済を伴うEC機能、外部システムとの連携などが必要になると一気に費用が上がります。その開発・実装費用として数十万円単位の追加を見込む必要があります。要件定義やテストにも時間を要するため、納期にも影響します。
運用・保守費用
サイト公開後の維持管理費も考慮しましょう。通常、ホームページの維持管理費は月額1万円～3万円が相場。この中にはサーバー・ドメイン更新費用、SSL証明書料金、定期バックアップやセキュリティ対策、軽微なテキスト修正対応などが含まれます。更新頻度やサポート範囲によって契約プランが分かれ、コンテンツ更新代行まで依頼すると月額5千～2万円程度プラスになるケースもあります。自社で更新作業を行う場合は月額費用をほぼサーバー代程度（数千円）に抑えることも可能です。技術的な保守（セキュリティアップデートなど）は怠らないよう注意が必要です。
制作会社の規模・所在地
前述のように大手か小規模かで単価が変わる傾向があります。また都市部の制作会社は地方に比べ人件費や物価が高いため、地方の業者より割高になるケースがあります。一概には言えませんが、東京などでは同じ内容でも地方より費用見積もりが高めに出る場合もあるとされています。依頼先選びの際には所在地も念頭に置くと良いでしょう。
ホームページ制作で失敗しないためのポイント
ホームページ制作は決して安い買い物ではありません。せっかく予算と時間をかけても「期待はずれのサイトができた…」とならないよう、発注側として押さえておくべきポイントがあります。
1. ホームページの目的・要求を明確にする
闇雲に作り始めるのではなく、まず「誰に」「何をしてもらいたいのか」といったホームページの目的を具体的に洗い出します。例えば「会社の信頼感向上（ブランディング）」「問い合わせ獲得（リードジェネレーション）」「採用応募を増やす」「ECで商品を販売する」などです。この目的が明確になれば、必要なページや機能も見えてきます。
目的が不明確なまま制作会社に丸投げすると、出来上がったサイトが自社の狙いとかけ離れてしまう恐れも。そうなると手直しに余計な費用がかかったり、最悪作り直しになってしまうことも。事前準備として自社の目標・要件定義をしっかり行い、発注側と受注側の認識を揃えることが成功への第一歩です。
2. 複数の見積もりを取り、内容を比較する
ホームページ制作はすぐに一社に決めず、できれば複数社から見積もりを取り比較検討しましょう。各社で提案内容や金額に大きな差が出ることも珍しくありません。比較の際は金額だけでなく見積もりの内訳や対応範囲を確認することが重要です。
詳細見積もりの確認
金額の根拠となる項目がしっかり記載された見積書をもらいましょう。「一式◯◯万円」といった大雑把な見積もりの場合、後から追加費用が発生しがちです。詳細見積もりで最終的な支払額を把握しておくことが大切です。
見積もり比較のポイント
各社の提案を比べ、「こちらのA社は◯◯のSEO提案が含まれているが金額が高い」「B社は安いがデザイン案がシンプル」など特徴を把握します。自社の優先事項（デザイン重視か、価格重視か、納期重視か等）に照らし合わせ、最適なコストパフォーマンスの提案を選びましょう。必要に応じて値引き交渉や内容調整も検討します。
相見積もりの注意
複数社への相見積もりは有効ですが、価格だけで選ばないことも肝心です。極端に安い提案には理由があるものです（テンプレート流用で柔軟性がない、実績が浅い等）。安さよりも提案内容の質や信頼性を重視しましょう。
3. 信頼できる制作パートナーを選ぶ
発注先選びはホームページ成功のカギです。制作会社でもフリーランスでも、次のポイントをチェックするとよいでしょう。
こちらの要望をきちんとヒアリングし、掘り下げてくれるか
こちらが提示した要件に対し、「これは本当に必要ですか？」「こういう機能を入れた方が良いのでは？」とプロ視点で提案してくれるかを見極めましょう。ただ言われた通り作るのではなく、親身に相談に乗ってくれる相手だと安心です。
担当者との相性・コミュニケーション
質問に対するレスポンスの速さや丁寧さ、専門用語を噛み砕いて説明してくれるかなど、コミュニケーション面の信頼感は大切です。制作期間中は何度もやり取りするため、意思疎通に不安がない相手を選びましょう。
得意分野と実績
制作会社・フリーランスごとに得意ジャンルがあります。例えばデザインに強い、SEOに強い、特定業界サイトに強い等です。自社の目的に合った分野を得意とするか確認し、過去の制作実績も見せてもらいましょう。自社と同業種・類似規模のサイト実績が豊富なら安心材料になります。
納期と制作プロセス
希望の公開時期に対応できるか、制作フローは明確かも重要です。「〇月〇日に納品できます」という約束だけでなく、納品後いつ公開になるのか（納品＝公開ではないことにも確認しましょう。テスト期間や修正対応期間などを含め、余裕をもったスケジュールを引いてくれる会社が望ましいです。
契約・権利関係
提供してもらったデザインデータやソースコードの権利、保守契約の有無なども契約前に確認します。納品後に追加費用なしで更新できる範囲や、修正対応のルールなど不明点はクリアにしておきましょう。
公開後のサポート
ホームページは公開して終わりではありません。 更新方法のレクチャーや、トラブル発生時の対処、アクセス解析のレポート提供など、公開後のフォロー体制も重視しましょう。大手制作会社では運用支援が手厚いところも多いですが、その分月額費用が必要な場合もあります。フリーランスの場合は、更新代行を個別にお願いできるかなど取り決めておくと安心です。
これらの項目を総合的に判断し、信頼できるパートナーと組むことがホームページ成功への近道です。一社で決めきれない場合、コンペ形式で2～3社に簡易提案まで出してもらう方法もあります（ただし双方手間がかかるため礼儀を持って依頼しましょう）。
4. 制作過程での注意点
実際に制作が始まったら、以下に気を付けて進めましょう。
定期的な進捗確認とフィードバック
制作途中で確認フェーズ（デザイン案レビューや試作サイト確認）があるはずです。スケジュール通り進んでいるか適宜連絡を取り、不明点は早めに質問・修正依頼しましょう。放置すると納期直前になって手戻りが発生する恐れがあります。
追加要望は慎重に
作業開始後に「あれも追加したい」となると追加費用・納期延長の原因になります。新たな要望が出た場合は、必要性と費用増加を天秤にかけ、次回以降のリニューアルに回せないかも検討しましょう。
テストと最終チェック
納品前に自社でもテスト環境でサイトを確認させてもらいましょう。誤字脱字やリンク切れ、表示崩れがないか入念にチェックします。公開後に不具合が出ると信頼低下にもつながるため、検証作業に手抜かりなく取り組みましょう。
以上のポイントを押さえれば、大きな失敗を避け、満足度の高いホームページ制作ができるはずです。それでも「予算が足りない…」という場合もあるでしょう。最後に、ホームページ制作費用を抑える方法についてもいくつか紹介します。
ホームページ制作費用を抑える方法
限られた予算の中でなるべく高品質なホームページを作りたい―そのような場合に検討したいコスト削減策をまとめます。
1. テンプレートや既存サービスを活用する
ゼロから作らず、使えるものは使うのがコストダウンの基本です。以下で具体的に解説します。
テンプレートの積極利用
WordPressの有料テーマやホームページ作成サービスが提供するテンプレートを活用すれば、デザイン・コーディングの工数を大幅に削減できます。有料テンプレートでも数万円程度ですから、結果的に制作会社に依頼する場合も総費用を抑えられます。テンプレートを部分的にカスタムしてもらうことで、完全オリジナルほど費用をかけずに独自性を出すことも可能です。
ホームページ作成ツール・サービスの利用
専門業者に外注せず、JimdoやWix、ペライチなどのクラウド型ホームページ作成サービスを利用する方法もあります。テンプレートに文字や画像を当てはめていくだけで公開でき、初期費用無料～数万円、月額数千円程度で運用できます。デザインの自由度や凝った機能は限定されますが、「とり急ぎ安く簡単なサイトを用意したい」場合には有力な選択肢です。
2. 国や自治体の補助金・助成金を活用する
中小企業や個人事業主であれば、ホームページ制作費用の一部を国や自治体の補助金でまかなえる可能性があります。代表的なものを紹介します。
小規模事業者持続化補助金
日本商工会議所が窓口の、小規模事業者向け補助金制度です。ホームページ作成を含む販路開拓の取り組みに使え、補助率2/3・上限50万円まで支給されます。採択されれば例えば75万円のサイト制作費のうち50万円が補助され、自己負担25万円で済む計算になります。定期公募制なので申請書類の準備と早めの応募が必要ですが、採択されれば非常に心強い制度です。
IT導入補助金
中小企業のITツール導入を支援する補助金ですが、2024年度以降は一般的な企業ホームページ制作は補助対象外となっています。かつてはHP作成も対象でしたが、現在はEC機能付きサイトや特定のIT機能を導入する場合に限られるため、単なる会社サイト新規制作には利用できないと考えましょう。
事業再構築補助金・ものづくり補助金
いずれも中小企業向けの大型補助金です。これらも通常は単なるコーポレートサイト制作は対象外ですが、例えば新規ECサイト構築など事業モデルの転換や生産性向上につながるウェブ開発であれば対象となる場合があります。要件が厳しく競争率も高いですが、該当する計画がある場合は検討の価値があります。
自治体のホームページ作成支援
一部の地方自治体では、中小企業向けにホームページ制作費の何割かを助成する制度を設けていることがあります。各自治体の商工課や産業振興センターの情報をチェックしたり、商工会に問い合わせたりしてみてください。上限額は数十万円程度と小さいものが多いですが、要件に合えば申請して損はありません。
補助金は事前申請が必要であり、採択後に実施・支払い・報告という手順を踏む必要があります。また、補助金額は後払い（立替払いが必要）である点にも注意が必要です。締切や必要書類を確認し、計画的に準備することが大切です。
3. その他のコストダウン施策
自社でできることは自社で行う
コンテンツ文章の執筆や写真素材の準備、公開後の更新作業など、社内で対応可能な部分はできるだけ自前で行うことで費用を抑えられます。特に文章作成は外注するとコストがかさむため、時間が許すなら自社でドラフトを用意しましょう。素材も、スマホ撮影でも工夫次第で使える写真は撮れます。プロ品質には及ばなくても費用ゼロの効果は大きいです。
段階的に機能拡張する
当初から盛り込みたい機能が多い場合でも、最初の公開時は必要最低限に絞り、後から段階的に拡張していく方法もあります。例えば求人ページや多言語対応などはまず日本語サイト公開後、第2フェーズで追加実装する、といった具合です。これにより初期費用を低減しつつ、運用状況を見ながら投資できます。
安価なプランや格安制作会社を利用
世の中には格安ホームページ制作を謳うサービスや会社も存在します。初期費用0円で月額課金制のプランや、10万円以下のパッケージプランなどを提供する会社も。こうしたプランは機能やデザインが限定的だったり、テンプレートそのままの簡易サイトになる場合が多いですが、「取り急ぎ最低限のサイトが欲しい」という場合には検討しても良いでしょう。ただし将来的な拡張性やサポート内容をよく確認し、あまりに安すぎる場合はデメリットも調べてから契約してください。
助成金・補助金の情報収集
前述の補助金以外にも、中小企業庁や各都道府県・市町村の中小企業支援策として、新たにIT導入支援金やウェブ活用支援事業が登場する可能性があります。常にアンテナを張り、「使える補助金がないか」情報収集する姿勢も大事です。例えば政府系ではIT導入補助金以外に事業承継・引継ぎ補助金などがIT活用に使えた例もあります。情報は中小企業庁や商工会議所のWebサイト、メールマガジンなどでキャッチしましょう。
よくある質問（FAQ）とその回答
最後に、ホームページ制作に関して初心者の方からよく寄せられる質問とその回答をいくつか紹介します。
Q1. ホームページは10万円以下でも作れますか？
A1. ごく小規模なサイトであれば10万円以下も不可能ではありませんが、一般的にはかなり難しいです。例えば1ページ構成の簡単なランディングページなら10万円程度～ 作成可能な場合もあります。しかし、企業のホームページとして5～10ページ程度の内容を充実させたいなら20～30万円は最低ラインと考えたほうがよいでしょう。
実際、多くの制作会社では小規模サイトでも数十万円の予算を想定しています。10万円以下に抑えるには、自作するか極端にページ数を減らすかなどの割り切りが必要です。また低予算で制作を引き受ける業者も存在しますが、品質やサポート面で不安が残るケースもあるため注意が必要です。
Q2. 見積もり金額にSEO対策は含まれていますか？
A2. 基本的な内部SEO対策は含まれていることが多いですが、本格的なSEO施策は通常含まれません。内部SEOとは、適切な見出し構造やメタタグ設定、モバイル対応、軽量なコーディングなど検索エンジンで評価されやすいサイト構造を整えることです。多くの制作会社ではこのような標準的なSEO施策は最初から組み込んで制作してくれます。
しかし、特定キーワードでの上位表示を狙うためのキーワード調査やコンテンツ企画、被リンク対策などの専門的・継続的なSEO対策は別サービスとなります。もし見積もり段階で「SEOパック」等が提案されていなければ、基本的な内部対策のみと思って良いでしょう。上位表示を強く意識する場合は、別途SEO専門会社との協力やコンテンツマーケティング施策が必要になります。
Q3. ホームページ完成までどれくらいの期間がかかりますか？
A3. サイトの規模や内容によりますが、一般的な企業サイトで約1.5～3ヶ月程度が目安です 。ページ数が少なく決まったテンプレートを使うような場合は1ヶ月前後で完成することもあります。
一方、ページ数が多かったりデザインにこだわる場合、あるいは社内チェックに時間がかかる場合などは3ヶ月以上かかるケースもあります。余裕を持ったスケジュール計画が重要です。特に新規開業やキャンペーンに合わせて公開したい場合は、遅くとも公開希望日の2～3ヶ月前には発注することをおすすめします。
また、制作中にこちらが素早く原稿や画像素材を提供したり、デザイン確認のフィードバックを迅速に行うことでスケジュール短縮に協力できます。
Q4. サイトの文章や写真素材は自分で用意すべきでしょうか？
A4. 可能であれば自社で用意するのが望ましいですが、難しければ制作会社に依頼できます。文章や写真はサイトの内容そのものですので、社内に詳しい人がいて作成できるならコスト削減にもなります。
ただし専門的なコピーライティングや魅力的な写真撮影はプロの方が得意です。自社で用意できない場合は、見積もり依頼の段階でその旨を伝えてプロに任せることも検討しましょう。プロに依頼するとその分費用は増えます（前述の原稿作成費用・撮影費用参照）が、完成度の高いコンテンツが得られるメリットがあります。
一方で自社で素材準備をする場合は、制作スケジュールに間に合うよう前もって用意しておくことが大切です。素材の納品遅れは全体の進行遅延につながるので注意してください。
Q5. スマホ対応のホームページにもできますか？
A5. はい、現在ではほとんど全てのホームページがスマホ対応（レスポンシブデザイン）で作られます。スマートフォンからの閲覧が主流になった今、モバイル対応は必須です。通常、制作会社に依頼すれば追加料金なしでレスポンシブ対応を含めて作ってくれることが多いです（見積もりに「レスポンシブ対応費」と明記されている場合もあります）。
ただし、古い制作プランではオプション扱いの場合もあり得るので一応確認すると安心です。レスポンシブデザイン対応の場合に費用が1.2～1.5倍になるとありますが、これは特殊なケースで、現在主流の制作会社では最初からレスポンシブ前提で見積もりされるケースが増えています。いずれにせよ、「スマホでも見やすく表示されるか？」は発注前に必ず確認しましょう。
予算に合ったホームページ制作で、無理なく成果を出そう
ホームページ制作の費用はサイトの規模や内容、依頼方法によって大きく異なります。予算が限られていても工夫次第で必要十分なサイトは作れますし、逆に必要な投資を惜しまなければ大きな成果が期待できます。大切なのは、やみくもに安さだけを追求したり高額なプランに飛びついたりせず、自社にとって適切な予算を見極めることです。費用相場や内訳を正しく理解して計画を立てれば、無理のない予算で効果的なホームページを実現できるでしょう。
