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成果につながるHPデザインとは？成功のポイントを初心者にもわかりやすく解説
自社のホームページを作成したいけれど、何から始めれば良いのか分からない…そんな悩みを抱えていませんか？また、今あるHPが古くなって使いにくいと感じているものの、どこをどう直せば良いのか迷っている方も多いでしょう。
初めてのHPデザインでは、専門用語が飛び交い、決めることが多く戸惑うこともあります。この記事では、初心者でも理解できるようにHPデザインの基本概念や成果を出すためのポイントを解説します。
読み終えれば、制作をプロに依頼する場合でも自分で行う場合でも役立つ知識が身に付き、自信を持ってホームページ作りに臨めるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
HPデザインとは？まずは基本をおさえよう
HPデザイン（ホームページデザイン）とは何を意味するのでしょうか？まずは「ホームページ」と「Webサイト」という言葉の違いから整理し、HPデザインが果たす役割や重要性を確認していきましょう。
ホームページとWebサイトの違いとは？
日本語では「ホームページ（HP）」という言葉がしばしばWebサイト全体を指して使われますが、本来の意味では少し異なります。本来、「ホームページ」とはWebサイトの中のトップページ（入口ページ）を指し、一方「Webサイト」は複数のWebページが集まった全体を意味します。ただし現在では、特に一般の会話ではホームページ＝Webサイトとほぼ同じ意味で使われることが多く、明確に区別されないこともあります。
要するに、大半の場合「自社のホームページを作る」と言えば「自社のWebサイト全体を作る」という意味になります。本記事でも「HPデザイン」という言葉をWebサイト全体のデザインという意味で使用します。初心者の方はまずこの用語の違いを頭に入れておきましょう。
HPデザインが果たす3つの役割（情報伝達／ブランド構築／集客）
ホームページのデザインには主に次の3つの重要な役割があります。
- 情報伝達
ユーザーに必要な情報を分かりやすく伝えることです。 - ブランド構築
デザインを通じて自社のブランドイメージを表現し、信頼感を与えることです。 - 集客
魅力的なデザインでユーザーの興味を引き、問い合わせや購入などの行動を促すことです。
これら三つの役割をバランスよく満たすことが、HPデザイン成功の鍵です。
「見た目」だけじゃない？UX・UI・導線設計の重要性
デザインというと色やレイアウトなど「見た目」の美しさに目が行きがちですが、それだけでは十分ではありません。ユーザーにとって使いやすく満足できるサイトにするためには、UX（ユーザーエクスペリエンス）やUI（ユーザーインターフェース）、そしてサイト内の導線設計にも注意を払う必要があります。
UXとはユーザーがサイトを利用する際の体験全般、簡単に言えば「使いやすさ」や「心地よさ」です。一方UIはメニューやボタン、フォームなどユーザーが直接操作する画面上の要素を指します。導線設計とは、ユーザーがページ内を迷わずに目的の情報や手続きにたどり着けるような経路をデザインすることです。
例えば、どんなに見た目がおしゃれでも、メニューが分かりにくかったりボタンが小さすぎたりすると、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまいます。逆に、シンプルな見た目でも必要な情報にすぐアクセスでき、操作に迷わないサイトであればユーザーの満足度は高まります。HPデザインでは視覚的な魅力と同時に、こうした使いやすさをしっかり設計することが大切です。
HPデザインの種類と特徴を理解しよう
HPデザインにはさまざまな種類やアプローチがあります。テンプレートを利用する方法とオリジナルで一から作る方法、またサイトの種類（コーポレートサイト、ランディングページ、ECサイトなど）によって求められるデザインも異なります。ここでは、それぞれの特徴や最近のトレンドについて見ていきましょう。
テンプレート型 vs オリジナルデザインの違い
ホームページのデザインは、大きく「テンプレート型」と「オリジナルデザイン」に分けられます。
テンプレート型とは、あらかじめ用意されたデザインテンプレートや既成のテーマを利用してサイトを作る方法です。Wixなどのホームページ作成サービスやWordPressの既存テーマなどがこれに該当します。メリットは手軽で短期間に見栄えのするサイトを作れる点です。
専門知識がなくても整ったデザインのページを作成でき、初心者でも扱いやすくコストも抑えられます。ただし、他のサイトと似たデザインになりがちで、細かなカスタマイズに限界があるのがデメリットです。
オリジナルデザインは、白紙からデザイナーがオーダーメイドでデザインを制作する方法です。色使いやレイアウト、機能の配置まで自社の要望やブランドに合わせて一から設計します。メリットは自由度が高く、自社のイメージにぴったり合った唯一無二のサイトを作れることです。
反面、制作には時間と費用がかかります。プロに依頼するケースが多く、テンプレート利用よりコストは高くなりますが、予算と期間に余裕があり、しっかりと効果を狙ったサイトを作りたい場合には最適な選択と言えます。
コーポレートサイト／ランディングページ（LP）／ECサイトのデザイン特徴
Webサイトには目的や機能に応じていくつかの種類があり、それによりデザインの重点ポイントも変わってきます。代表的なものとして、企業の情報発信を主目的としたコーポレートサイト、一つのサービスや商品に特化したランディングページ（LP）、商品販売を行うECサイトが挙げられます。それぞれのサイトにどんな特徴があり、デザイン上何に注意すべきかを見てみましょう。
コーポレートサイト
企業や事業の公式サイトです。会社概要やサービス紹介、実績、お知らせ、お問い合わせ先など多岐にわたる情報を提供します。デザインは信頼感を与える落ち着いた色合いで統一し、情報を整理して見やすく配置します。訪問者が知りたい情報（事業内容や所在地など）にすぐアクセスできるよう、ナビゲーションメニューも明快に設計することが重要です。
ランディングページ（LP）
特定の商品の販売やサービスの申し込みなど、一つの明確なゴール（コンバージョン）に誘導するための縦長の1ページサイトです。広告やSNSから訪れたユーザー向けに、ページ冒頭で強いキャッチコピーと魅力的なビジュアルを配置し、その後にサービスのメリットやお客様の声、手順などを順序立てて示します。ヘッダーのメニューはシンプルにし、ページ内に複数回CTA（ボタン）を配置して途中で離脱させない工夫をするのが特徴ですいです。
ECサイト
オンラインショップ（電子商取引）のサイトです。多数の商品ページやカテゴリーが存在し、ユーザーが商品を探して購入するまでの導線設計が肝心になります。商品の魅力を伝える写真や説明を見やすく配置し、「カートに入れる」ボタンなど購入導線を分かりやすく設置します。検索バーや絞り込み機能、レビュー表示なども用意し、ユーザーが安心して商品を選べるよう配慮します。決済方法や問い合わせ先を明示することで信頼性を高めている例も多いです。
最近流行りのデザイン（ミニマル／モバイルファースト／アニメーション活用など）
ここ数年のWebデザインには、共通して見られるいくつかのトレンドがあります。最新の傾向を取り入れることで、より時代に合った魅力的なサイトに近づけることができます。代表的な流行のデザイン要素を見てみましょう。
ミニマルデザイン
余計な装飾を省き、必要なコンテンツだけを配置したシンプルで洗練されたスタイルです。白や淡い色を基調にした余白の多いレイアウトやシンプルなタイポグラフィなど、要素を減らすことで内容を際立たせます。ただし、シンプルなだけに各要素の配置や間隔には細かな配慮が必要です。
モバイルファースト
スマートフォンなどモバイル端末での閲覧を最優先に考える設計手法です。まず小さい画面で快適に閲覧・操作できるようデザインし、その上でPC版に展開します。画面サイズの制約から情報を厳選できるため、ユーザーにとって本当に必要な内容に集中させやすいメリットがあります。結果としてスマホでもPCでも使いやすいレスポンシブなサイトに仕上がります。
アニメーションの活用
スクロールに応じて要素が滑らかに現れる、ボタンにホバーするとエフェクトが出る、ローディング中にロゴが動く、といったアニメーションを取り入れる例が増えています。適度な動きはユーザーの注意を引き、体験をリッチにします。ただし、動きが多すぎるとページが重くなったり煩わしく感じられたりするため、アクセントとして控えめに使うことがポイントです。
成果を出すために、HPデザインに必要な要素
では、成果につながるホームページデザインを実現するために押さえておきたい重要な要素を見ていきましょう。ここでは特に重要な6つのポイントを紹介します。
①ファーストビューの設計
サイトを訪れたユーザーが最初に目にする領域を「ファーストビュー」と呼びます。画面をスクロールしなくても表示される冒頭部分であり、第一印象を決める非常に重要なエリアです。ファーストビューにはサイトのタイトルやキャッチコピー、メインとなる視覚要素（メイン画像や動画など）を配置し、ユーザーに「このサイトには自分の求めるものがありそうだ」と直感的に感じさせる必要があります。ごちゃごちゃと情報を詰め込みすぎず、伝えたいメッセージを端的に示すことがポイントです。
②情報設計とナビゲーション（UI/UX）
コンテンツの配置やページ構成といった「情報設計」は、ユーザーが迷わずに必要な情報にたどり着くための地図のような役割を果たします。サイト全体でどの情報をどこに配置するかを計画し、重要度や関連性に応じて階層構造を作ります。
その上で、ナビゲーションメニューを適切にデザインすることも不可欠です。グローバルメニューやサイドメニュー、パンくずリストなどを活用し、ユーザーが現在どこにいるか把握しやすく、他のページにも移動しやすいようにしましょう。
UI（ユーザーインターフェース）の観点では、ボタンやリンクは一目でクリックできると分かるデザインにし、リンクテキストもユーザーにとって意味がわかりやすい表現にするなどの配慮が必要です。情報設計とナビゲーションが優れていれば、ユーザーのUX（ユーザー体験）は向上し、ストレスなく目的を達成できるサイトになります。
③モバイル対応（レスポンシブデザイン）
昨今はスマートフォンからサイトを利用するユーザーが非常に多いため、モバイル対応は必須です。レスポンシブデザインとは、PC・タブレット・スマホといった異なる画面サイズでもレイアウトが最適化されるデザイン手法のことです。一つのHTMLページでスタイルを切り替えて表示を調整できるため、デバイスごとに別々のサイトを用意する必要がありません。
モバイル対応のポイントは、スマホ画面でも文字が小さすぎず読みやすいこと、ボタンやリンクがタップしやすい十分な大きさで配置されていること、横スクロールが発生しないことなどです。また、画像が適切に縮小表示されるか、不要な装飾がモバイル時には省かれているかなどもチェックしましょう。
④ページスピードと軽量化
サイトの表示速度（ページスピード）はユーザーの離脱率やSEOにも影響する重要な要素です。表示に時間がかかるサイトはユーザーにストレスを与え、途中で閲覧をやめられてしまうこともあります。
快適に閲覧できるよう、ページを軽量化する工夫が必要です。具体的には、画像ファイルを適切なサイズ・圧縮率で使用する、不要なスクリプトやプラグインを削減する、CSSやJavaScriptを最適化する（圧縮・結合する）などの対策があります。
また、サーバーの応答速度を改善したり、ブラウザキャッシュを活用したりといった技術的な側面もありますが、デザイン面では「必要な要素だけを載せる」「動画やアニメーションを入れすぎない」など、コンテンツの取捨選択がスピード改善につながります。
⑤SEOを意識した構造とタグ設計
HPデザインでは見た目だけでなく、サイトの構造やHTMLタグの設計にも気を配りましょう。これはSEO（検索エンジン最適化）の観点から非常に重要です。具体的には、ページごとに適切なタイトルタグやメタディスクリプションを設定し、見出しタグ（H1、H2、H3…）をコンテンツの構造に沿って正しく使うことが挙げられます。
例えば、ページの主題はH1に、下位の項目はH2にするなど、見出し階層を整えることで検索エンジンが内容を理解しやすくなります。また、画像には代替テキスト（alt属性）を設定しておくと、画像内容を検索エンジンに伝えられます。サイト全体の内部リンク構造を整理し、重要なページにリンクを集めることもSEOに有効です。デザインを考える際に、こうした裏側の構造にも目を向けておくことで、後々の集客効果が大きく変わってきます。
⑥CTAと導線設計の工夫
CTA（Call To Action、ユーザーに起こしてほしい行動を促す要素）は、サイト内でユーザーに取ってもらいたい具体的なアクション（問い合わせ、資料請求、購入など）を促す仕掛けです。成果を出すHPデザインでは、CTAを効果的に配置し、導線を工夫することが重要です。
例えば、目立つ色のボタンを要所に配置する、問い合わせフォームへのリンクを常に画面上部に表示する、スクロールに合わせてポップアップで案内を出す、といった方法があります。ただし、あちこちにボタンを置きすぎるとユーザーが戸惑うため、自然な流れで行動を促せる箇所に絞って配置しましょう。
また、CTAボタンの文言にも工夫が必要です。「お問い合わせはこちら」よりも「無料で相談する」「今すぐダウンロード」といった具体的なメリットを感じられる表現の方がユーザーの心に響きます。サイト全体の導線を通じて、ユーザーが最終的なゴールにスムーズに到達できるようデザインすることが肝心です。
良いHPデザインを作るための流れとポイント
ここからは、良いホームページデザインを作り上げるまでの一般的な流れと各段階でのポイントを解説します。最初にサイトの目的やターゲットを明確にする企画段階から、ワイヤーフレームやデザインカンプの作成、制作パートナーとのやり取り、さらにはコンテンツ作成まで、順を追って見ていきましょう。
目的設定とペルソナ設計
まずはサイトの目的を明確にし、想定するペルソナ（ターゲットユーザー像）を設定しましょう。ホームページを通じて何を達成したいのか、ゴールを具体的に定めます。例えば「問い合わせ件数を月に○件獲得したい」「オンライン販売で売上を伸ばしたい」など、目的によってサイトの構成やデザインの方向性は大きく変わります。
続いて、そのサイトに訪れるであろうユーザーがどんな人かを想像し、ペルソナを具体化します。年齢や性別、職業、抱えている課題、サイトに期待することなどを設定します（例：30代の中小企業経営者でWebに詳しくない男性、など）。目的とペルソナが明確になれば、「その人に目的を達成してもらうにはどんな情報やデザインが必要か」を軸にデザインの方針を決めやすくなります。
ワイヤーフレーム・デザインカンプの作成
目的とペルソナが定まったら、次はページの設計図となるワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームとは、ページのレイアウトを線や枠だけで示した簡易的な図で、配置する要素（見出し、文章欄、画像枠、ボタンなど）を洗い出すものです。色や装飾を加えず骨組み（どこに何を配置するか）に集中することで、情報の抜け漏れや構成の問題点を発見しやすくなります。ワイヤーフレームで事前に構成を検討し関係者と共有しておけば、後のデザイン修正を大幅に減らせます。
ワイヤーフレームで構成が固まったら、デザイナーはデザインカンプ（デザイン案）を作成します。デザインカンプとは、色やフォント、画像、装飾などを反映したサイトデザインの完成イメージです。コーディング（実装）前に見た目を確認するための静的な画像で、ここで自社のブランディングイメージに合っているか、文字の視認性に問題はないかなどを細かくチェックし、必要に応じて修正を加えます。デザインカンプの段階でしっかりデザインを詰めておくことで、実際のサイト構築に入った後の手戻りを防ぐことができます。
デザイナー・制作会社とのコミュニケーションのコツ
プロのデザイナーやホームページ制作会社に依頼する場合、こちらの意図を正確に伝えるコミュニケーションが重要です。最初の打ち合わせでは、サイトの目的やターゲット、盛り込みたいコンテンツ、希望するデザインのイメージなどを具体的に共有しましょう。例えば、「○○社のサイトのような雰囲気にしたい」「青と白を基調に信頼感を出したい」など、イメージに近い他社サイトの例を示すと伝わりやすくなります。不明点や専門用語が出てきたときは遠慮せず質問し、認識のズレがないようにしましょう。
デザインカンプなどの提案が上がってきたら、フィードバックの伝え方も工夫します。「なんとなく違う」ではなく「◯◯の部分を△△に変更してほしい」「色合いをもう少し明るく」など具体的に伝えるよう心がけましょう。同時に、デザイナーの意見や意図にも耳を傾けることが大切です。
デザインだけじゃない！コンテンツとコピーの重要性
ホームページで成果を上げるためには、見た目のデザインだけでなくコンテンツ（掲載する情報）やコピー（文章表現）の質が非常に重要です。どんなにデザインが美しくても、中身の情報がユーザーのニーズに合っていなかったり、文章が分かりづらかったりすれば、十分な効果は得られません。ユーザーは最終的にはサイト上の情報を読み取って判断や行動を起こします。そのため、伝えるべきことがきちんと整理され、魅力的かつ分かりやすい表現で書かれているかが問われます。
デザインとコンテンツは車の両輪のような関係です。例えば、魅力的なキャッチコピーや分かりやすい商品説明文があってこそ、デザイン上でそれを大きく見せたり強調したりする意味があります。文章を書くのが苦手な場合はプロのライターに依頼することも検討しましょう。コンテンツ制作にも力を入れることで、デザインと相乗効果を発揮し、より成果につながるホームページになります。
プロに依頼する？自作する？選び方のポイント
ホームページを作るにあたり、制作をプロの業者に依頼するか、それとも自分で作成するかは大きな検討ポイントです。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、予算や求めるクオリティ、リソースに応じて適した選択が変わってきます。ここでは、プロに依頼する場合と自作する場合の特徴や、利用できるツール、さらにおおよその費用相場と制作期間の目安について解説します。
制作会社に依頼するメリット
- プロならではの洗練されたデザインや最新技術への対応が期待できます。経験豊富なデザイナーに任せれば、質の高いサイトに仕上がります。
- 制作の手間と時間を大幅に省けます。自社で作る場合と比べて、自分は本業に集中でき、面倒な作業はプロに任せられるので効率的です。
制作会社に依頼するデメリット
- 外注にはまとまった費用がかかります。一般的に制作会社に依頼すると数十万円以上の予算が必要になるため、予算に限りがある場合は負担に感じるでしょう。
- 仕上がりまでに時間がかかることがあります。制作会社の作業工程上、デザイン確認やコーディングなど段階を経るため、即日で完成とはいきません。
- コミュニケーション次第では、希望通りのデザインにならないリスクもあります。意図が十分伝わらなかったり認識にズレがあると、「イメージと違う」という事態になりかねません。
Wix・STUDIO・WordPressなどノーコードツールを使った自作
近年では、プログラミングの知識がなくてもホームページを作成できるノーコードツールが充実しています。代表的なものにWixやSTUDIOなどのオンラインサービスや、WordPress（テーマやプラグインを活用したCMS）があります。これらを使えば、ドラッグ＆ドロップでレイアウトを組んだり、用意されたテンプレートから選ぶだけで、比較的簡単に見栄えのするサイトを自作できます。
ノーコードツールを使う自作のメリットは、費用を大幅に抑えられる点と、自分のペースで制作・更新ができる点です。初期費用はサービスの利用料やサーバー代程度で済み、修正したいときにすぐ自分で手を加えられます。ただしデメリットもあります。
ツールの使い方を覚える時間や慣れが必要で、思い通りの配置・デザインにするにはセンスも求められます。テンプレートを使えば手軽ですが、他のサイトと似た見た目になる可能性もあります。さらに、凝ったデザインや特殊な機能はノーコードでは限界があり、結局対応できない場合もある点にも注意しましょう。
費用相場とスケジュール感の目安
最後に、ホームページ制作にかかる費用と完成までの期間の目安です。制作会社に依頼する場合は、規模や内容にもよりますが数十万円～百万円以上の費用がかかることが一般的です。小規模なサイトでも数十万円、大規模で凝ったものになれば数百万円となるケースもあります。一方、ノーコードツールを使って自作する場合、ツール利用料やサーバー代など必要最低限のコストで始められます（例えばWixは月額数千円、WordPressでも年間数万円程度です）。
スケジュールとしては、プロに依頼した場合は1～3ヶ月程度で公開まで至るのが一般的です。要件定義からデザイン、コーディング、テストまで段階を踏むためそれくらいの期間を見ておきましょう。自作の場合は作業ペース次第です。シンプルな内容なら数日で形にできることもありますが、初めてだとツールの習熟やコンテンツ準備に時間がかかり、公開まで数ヶ月かかることもあります。余裕を持った計画を立てることが大切です。
HPデザインでよくある失敗と改善のヒント
最後に、ホームページデザインにおいて陥りがちな失敗例と、その改善のヒントについて見てみましょう。あらかじめよくあるミスを知っておくことで、同じ過ちを防ぎ、より良いサイトにブラッシュアップすることができます。
見た目重視で使いにくい
デザインに凝るあまり、ユーザビリティ（使いやすさ）がおろそかになってしまうケースです。例えば、おしゃれなフォントや配色にこだわりすぎて文字が読みにくくなっていたり、独自の凝ったナビゲーションを採用した結果、どこをクリックすれば良いか分かりにくくなってしまったりということがあります。
デザインそのものは美しくても、ユーザーが操作に戸惑ってしまっては本末転倒です。心当たりがある場合は、一度ユーザー目線に立ち返ってみましょう。第三者にサイトを触ってもらい、使いづらい点がないか意見を聞いて改善することが大切です。
スマホでの表示崩れ
パソコンでは問題なく見えていたのに、スマートフォンで見るとレイアウトが崩れてしまっているケースです。具体的には、文字や画像が画面からはみ出して見切れてしまったり、要素が重なって読めなくなっていたり、極端に小さく表示されて操作しづらくなっていたりといった症状が起こります。
これらは主にレスポンシブ対応が不十分な場合に発生します。現代ではスマホからアクセスするユーザーが非常に多いため、スマホ表示のチェックは必須です。デザイン段階からレスポンシブを意識し、公開前には必ず複数の端末でレイアウトや操作性を確認しましょう。表示崩れを発見したら、早めに修正対応することが重要です。
更新しにくく放置される
ホームページを公開したものの、その後の情報更新がうまくできず放置されてしまうケースもよく見られます。例えば、最新のお知らせやブログ記事が何年も前で止まっていたり、製品情報が古いままだったりすると、ユーザーは「この会社は活動しているのだろうか？」と不安に感じてしまいます。更新されない原因として、更新作業の方法が複雑で担当者では対応できない、忙しくて手が回らない、といったことが考えられます。
この問題を防ぐには、最初から更新しやすい仕組みを整えておくことが重要です。WordPressなどCMSを導入して自分達で記事やお知らせを追加できるようにしたり、更新マニュアルを用意して誰でも手順通りに作業できるようにしておくとよいでしょう。また、更新作業を定期的な業務として予定に組み込む、複数人で分担するなど、運用面での工夫も大切です。ユーザーに常に新鮮で正確な情報を届けられるよう、デザインだけでなく運用体制にも目を向けましょう。
改善策：ABテスト／ヒートマップ／ユーザーの声を活かす方法
サイトを公開した後も、定期的に分析と改善を行うことで、ホームページの効果を高めていくことができます。具体的な改善手法として、以下のようなものがあります。
A/Bテスト
ページの要素（ヘッダー画像やボタンの色、キャッチコピーなど）を2パターン用意し、どちらがユーザーの反応（クリック率やコンバージョン率）が良いか検証する方法です。少しの違いで成果が変わることも多いため、A/Bテストを活用してより効果的なデザインやコンテンツを探りましょう。
ヒートマップ分析
ユーザーがページ上のどこに注目し、どこをクリックしているかを可視化できるツールです。ヒートマップを使えば、ユーザーがよく見るエリアや逆に見られていない箇所が一目で分かります。
ユーザーの声の活用
実際の利用者から直接フィードバックを集める方法です。問い合わせフォームやアンケートでサイトの使い勝手に関する意見を募ってみましょう。「ここが分かりにくい」「こんな情報が欲しい」といった生の声は貴重なヒントになります。可能な範囲でサイトに反映させていくことで、よりユーザビリティの高いサイトに近づきます。
このように、公開後もデータやユーザーの声をもとにPDCAを回し続けることで、ホームページの完成度は着実に向上していきます。
成功しているHPデザイン事例を見て学ぶ
実際に成功しているホームページのデザイン事例から、学べるポイントを探ってみましょう。業種ごとに求められるデザインは異なりますが、うまくいっているサイトには共通する工夫があります。
業種別の成功デザイン例（飲食店／美容系／士業／スタートアップなど）
飲食店の事例
料理の写真や店内の雰囲気が伝わるビジュアルと、すぐ予約できる導線（「予約」ボタンの配置）がポイントです。メニューやアクセス情報も見つけやすく、スマホ対応も万全にしてあります。
美容系の事例
高級感や癒しを感じさせる洗練されたデザインで世界観を統一しています。ビフォーアフター写真やお客様の声を載せて信頼感を高め、予約ボタンを目立たせて集客につなげています。
士業の事例
白や紺など落ち着いた色合いで信頼感を演出しています。代表者の写真や実績を掲載し、業務内容や料金を簡潔に示して安心感を与え、問い合わせ先を明示して「すぐ相談できる」印象を与えています。
スタートアップの事例
製品のデモ動画や印象的なキャッチコピーでインパクトを与えつつ、内容はシンプルで分かりやすく構成しています。洗練されたアニメーションで先進性を演出し、CTAボタンも随所に配置して目的達成につなげています。
なぜこのHPが良いのか？デザイン的・機能的視点から分析
上記のような成功事例に共通するのは、「デザイン面」と「機能面」の両方が高い次元で両立していることです。まずデザイン的には、各サイトともターゲットや業種に合わせた世界観を作り込みつつ、視覚的な魅力でユーザーの心を掴んでいます。色使いやレイアウト、写真・動画のクオリティなど、細部まで統一感がありプロフェッショナルな印象を与えています。また、ファーストビューでのインパクトやブランドイメージの表現など、ビジュアルデザインの役割をしっかり果たしています。
機能的な視点では、ユーザーが欲しい情報にスムーズにたどり着ける導線設計や操作性の高さが光ります。ナビゲーションが分かりやすく整理され、問い合わせボタンや予約フォームなどのCTAも適切に配置されています。レスポンシブデザインでスマホからでも快適に閲覧でき、表示速度も良好です。要するに、「見た目の良さ」と「使いやすさ・分かりやすさ」を両立させ、サイトの目的（集客や問い合わせ獲得など）をしっかり達成できるよう作られている点が、成功しているHPデザインの共通点と言えます。
HPデザインは「目的」と「ユーザー視点」がカギ！
本記事では、ホームページデザインの基本から成功のポイントまで幅広く解説してきました。大切なのは、常に「サイトの目的」と「ユーザー視点」を軸にデザインを考えることです。見た目のおしゃれさだけを追求するのではなく、誰のためのサイトで何を達成したいのかを明確にし、その上でユーザーが使いやすく目的を達成しやすい構成や仕掛けを取り入れることが、成果につながるHPデザインの秘訣と言えます。
初めてホームページを作る方でも、基本を押さえて一歩一歩進めていけば大丈夫です。デザインの知識が浅くても、本記事で紹介したポイントや事例を参考に、自社サイトの改善や制作にぜひ活かしてみてください。目的に沿った使いやすいHPを作り上げ、ビジネスの成長に結び付けていきましょう。
